中古キャブレターを分解する(3)
前回のつづきです。
前回は、連結を解いたところで終わりました。
基本的には4個みな同じ構造です。
例として、2番をばらしていきます。
まずはトップキャップを外します。
4本のネジをゆるめたところです。
(バネが下から押し上げています)
バネが飛び出さないよう指でおさえて、
注意しながらネジを外します。
バネもダイヤフラムもきれいです。
ケイヒンの純正キャブレターの特徴として、
ニードルの頭が釘のような形(矢印部分)をしています。
汚れも虫食いもありません。
バキュームピストンです。
サクションホールが拡大加工されている場合、
正確なセッティングができませんので、
よく観察して下さい。
(このキャブは大丈夫でした)
スタータープランジャーを外します。
(簡単にいうとチョークです)
固着もありません。
きれいな状態です。
穴につまりもありません。
フロート室を開けます。
Oリングにあまりヘタリは見られません。
ケース本体の底もきれいです。
フロートもほぼ新品のような状態です。
フロートピンを抜く道具です。
ホームセンターで簡単に入手できます。
ポンチでフロートピンを押します。
(固着がなければ、簡単に押し出すことが出来ます)
ピンを引き抜きます。
フロートとフロートバルブです。
フロートは穴などが開いていないか、
水などに浮かべて(というか一旦沈めて浮いてくるのを)確認してください。
(自分の場合はいつも使っている洗浄台の中蓋を外して、
洗油(灯油)にまとめて浮かべて検査しています)
ゴムでできた円錐部分に段付きがあると、
オーバーフロー(燃料漏れ)を起こします。
(きれいですが、自分の場合は、今後のことも考え、
キャブを組む際に交換してしまいます)
メインジェット・ニードルジェットホルダーなどをを外します。
ニードルホルダーには8ミリのメガネレンチを使用します。
あとは(言わずもがな)ジェットドライバーです。
この部分は残り易いです。
外れない場合に、器具でこじたりすると簡単に変形します。
指で押してみて外れない場合は、
キャブレタークリーナーなどで様子をみて、
駄目なら(ドライヤーなどで)温めるなどしてみてください。
こちらもきれいです。
メインジェットは特に新品同様でした。
パイロットジェット(スロージェット)を外します。
毎度のピンぼけですみません。
つまりはありませんが、
これも新しく組み直す時には交換です。
穴が(メインジェットなどと違い)小さくつまりやすいですから。
パイロットスクリューを外します。
(外す前に、何回転戻しか、締め込んで確認します)
こんなに簡単に外れてくれればいいですが、
大抵はOリングが穴から出て来てくれません。
こんな感じで残ります。
で、自分の場合はどうするかというと。
こんな形のものを針金で作ります。
穴に通るように出来るだけ小さく折り曲げて、
(Oリングが引っ掛かりやすいよう)先端は斜めにカットしてあります。
これでOリングを回収します。
※画像の針金はいつも使ってるものです。
うまく引っ掛かってくれました。
Oリングが取れて、底が見えます。
確実に取れたことを必ず確認してください。
(フロート室含め、基本的にOリングはすべて交換です)
これで分解がすべて完了です。
(実際の作業では、同じことを4回繰り返します)
固着さえなければ、作業自体はそんなに難しくありません。
今回、分解に際して使用した道具などです。
おまけです。
赤枠で囲んだ部分。
スロットルバルブは分解しません。
リターンスプリングの状態など、
動きが渋くなければいじる必要はないです。
もしいじる必要があれば、プロに頼むのが賢明です。
(サンデーメカニックのメンテナンスの範疇を越えています)
ここまで拙い説明を読んで頂いてありがとうございました。
これでキャブレターの分解は終了です。
(了)
追記。
カワサキの車両のメインジェットとニードルジェットの番手について。
2・3番が1・4番よりも大きい番手になっており、
濃いめのセッティングが施してあります。
必要に応じて、メモを取ることをお薦めします。
中古キャブレターを分解する(1) - 晴れた日はオートバイに乗って
中古キャブレターを分解する(2) - 晴れた日はオートバイに乗って
キャブレターピッチを合わせる - 晴れた日はオートバイに乗って
キャブレターピッチを合わせる (2) - 晴れた日はオートバイに乗って