シフトシャフト〜クラッチの組み立て(2)
続きです。
ソケットとトルクレンチの間をつなぐアダプタが届きました。これでセンターロックナットの締め付けができます。(使うのは右から二番目です)
エクステンションバーを噛ませて延長します。
肝心のセンターロックナットのトルク値ですが、整備書によると、
こんな感じですね。あんまりガチガチとかはなあ……
少し考えて、ちょうど中間の数値に決めました。(単位は、ご覧のN.mのほか、kg.mでもlb-ftでもプリセットできます)
準備ができたので、締めていきます。
あらかじめセットした値に達すると、(手応えでもある程度わかりますが)ご覧のように光と音で知らせてくれます。
あとは、ナットの回り止めのために、ワッシャーをご覧のように折り曲げます。(茶色いのは、ラックのネジ山が舐めるのを予防するために塗ったロックタイトです)
ワッシャーを折り曲げる道具は、ウォーターポンププライヤーが使い易いと思いますが、ナットを挟み込める余裕があれば、なんでも構わないと思います。自分は、普通のプライヤーを通常の使用よりも広げて使いました。
クラッチ板一式を組み込んでいきます。今回の場合は、エンジンオーバーホールが済んで間も無いことと、その後の走行距離も少ないということで、ドライブプレートの厚みの計測などは省略しています。
ドライブプレートとドリブンプレートを交互に組んでいきます。
最後にクラッチプレッシャーディスクとスプリングを組み込みます。
基本は押し回しというものの、スプリングを押しつつ、ボルトを舐めないように捻じ込むのは、少しやり難いですね。(画像はボルトを仮止めした状態です)
自分の場合は、Tバーレンチを使いました。
ある程度、Tバーレンチで締め込んだら、最後にトルクレンチで締めて完了です。整備書によると、ボルトの締め付けトルクは11-13N.mとありました。自分は11.5N.mで統一しました。コチラで、ここのボルトを高トルクで締めるとあまり良くない(=クラッチが重くなる)ということで、参考にさせてもらいました。
クラッチカバーのガスケットですが、この程度のヤレ具合なら、再使用する方もいるかとおもいます。自分の場合は、新品に交換します。
古いガスケットの一部が、クラッチカバーに 張り付いているものに関しては、ご覧のスクレーパーなどで剥がします。
綺麗になりました。言うまでもないことですが、エンジン側に残った古いガスケットも同様に処理しておきます。
新しいガスケットに交換する前に、スズキが推奨している液体ガスケット(スリーボンド1215)を赤い枠の範囲に薄く塗布します。(画像では、色がグレーで見え辛いですが、塗布済みです。別に、スズキ推奨のものでなくても、液体ガスケットならなんでも構いません)
新しいガスケットをエンジン側に貼り付けます。さっきの液体ガスケットの塗布は、このガスケットが、クラッチカバーの嵌合作業中にズレや脱落をしないように仮止めしておくための措置です。
整備書の説明。クラッチから突き出ているラックの切り欠きと、クラッチカバーのらせん状の溝の向きを合わせろということらしいです。
クラッチカバーの装着が終わりました。クラッチカバーを止めているボルト(8ミリ)の締め付けトルクは、11.3N.mで統一しました。
ねじの呼びと工具のサイズ・締付トルク参考値 | KTCツールオフィシャルサイト
クラッチカバーを装着したあと、クラッチケーブルを接続。クラッチレバーを何度か握って、きちんと作動するか確認します。クラッチカバーを外した際、エンジンオイルをいくらか失いましたので、注ぎ足しておきます。注ぎ足したエンジンオイルは、すでに入っているものと銘柄の違う安物(ホームーセンターで入手)です。シフトペダルのテストが終了後にエンジンオイルは排出してしまいます。
スプロケットカバーとシフトペダルを組み立て、エンジンをかけてシフトチェンジのテストを行いました。*1 シフトアップ&ダウン、ニュートラルの入りなど全く問題ありませんでした。
(エンジンオイルは排出して一時的に空ですが)これで、倉庫内での移動はとりあえずできるようになりました。
*1:フロントとリアにはスタンドを装着して行いました。