シフトシャフト〜クラッチの分解(3)
さて、続きです。
回り止めのワッシャーを平らに潰すところで終わってました。
クラッチカバー、
クラッチディスク(マニュアルではドライブプレート)と、ここまで外してました。
今回は色々あって作業開始は夜の7時半すぎ。インパクトレンチその他を用意して再開です。
尚、倉庫の天井の照明は点いてます。画像にすると、どうしてもこんな感じなんですよね。
SST投入。クラッチホルダー(マニュアルでは“クラッチスリーブハブホルダ”と呼ぶ)とかいうやつです。
真ん中のセンターロックナットを外す際に固定する道具です。引っかかるところが、クラッチスリーブハブのネジ穴しかなかったです。万が一ネジ山が潰れたら、タップを切り直せばいいかと。
インパクトレンチ一発。ブルルンて感じですぐ外れました。
ワッシャーを外して、クラッチスリーブハブを外します。
次にスラストワッシャーを外します。適当に前後に揺すると前にせり出してきます。
外れました。
次はスペーサーを外します。こいつは揺すっても取れません。それで、
適当なネジを抜けないところまではめて、そのネジの頭を摘んで引き出すと外れます。(ベアリングはくっついてません。バラけて失くすと面倒なので一緒にしているだけです)
プライマリドリブンギアが外れました……と簡単に書きたいところですが、実際は斜めにして知恵の輪を外すような要領で引っ張り出す感じです。あまり無理をすると傷がつくので、慎重に作業します。
これで、やっと不具合箇所の点検ができます。
前回フリーでどこにも噛み合ってなかったシフトシャフト(正確には“ギアシフトシャフト”)を、試しにギアシフトカムドリブンギアに噛み合わせてみます。
お互いのギアの中心同士を正確に合わせるようにマニュアルには書いてありますが、逆に中心を外すことのほうが難しいと思います。
ギアを噛み合わせた状態でシフトシャフトを上から“押して離す”を何度か繰り返しました。特に問題なく作動してバネの力で元に戻ります。ギアの片方などが欠けていることもないようです。齧っていたと思われた箇所も擦った程度の傷です。
試しにプライマリドリブンギアを裏返して点検しましたが、特段に擦ったような箇所は見られませんでした。
じゃあ、なぜシフトチェンジできなかったり、最後にはギアが外れたりしたのか?そもそもの原因はなんなのか?
シフトシャフトを抜いてみました。画像では分かりにくいですが、実際に見ると
微妙にシャフトが曲がっています。この状態でギアが噛んでいたとしても、
当然、ギア自体もこんな感じでパッと見わからないぐらいに矢印方向へずれています。シフトのアップダウンを繰り返すうちに、外れたとしてもおかしくないと思われます。
……どうも、このシフトシャフト。某バイクショップでエンジンOHした際に、以前のパーツを点検せずにそのまま再使用する形で納品(?)されたみたいです。
パーツの再使用といえば、思い当たる節がないでもありません。
シフトシャフトを留めている、この独特な形のサークリップとワッシャー。見た感じが明らかに新品ではないですよね?ワッシャーなんかのサビ具合からして。しかも肝心のサークリップの押さえが弱くて、ワッシャーが密着してないし。(エンジンOH後の納車は昨年の三月です)
確かに、このサークリップはパーツリストにも未だに掲載されてはいます。
しかし、このパーツを実際にスズキに注文してみると、
こんな感じで対策品が届きます。いつからこの対策品に変わったかはわかりません。しかし、少なくとも製造から30年以上も経過した車両ですから、昨日今日の話ではないはずです。
……過去の亡霊に、いつまで振り回されるんでしょうねえ。(遠い目)
こちらが渡したお金をどういう風に使って店を回していくかは預かり知らぬことなんですけど。どうなってたんでしょうねえ?
作業を続けます。
シフトシャフト抜いたあとのオイルシールですけど。なかなか抜けません。
それと夜も更けてきて、こんな環境で作業を続けてもろくなことはないと思ったので。今日は切り上げて、日を選んで明るいうちに再度トライすることにします。分解作業が完全に終了後に必要パーツを全て拾い出すことになるとおもいます。進展があれば、また記事にします(そういえば、塗装後の純正カウルの状態を太陽光の下で見てみることもまだでしたね)
【おことわり】スズキのマニュアルによると“ギア”は全て“ギヤ”と表記されています。まあ、細かいですけど。気になる方がいらっしゃるかもしれないので v( ̄∇ ̄)
【参考記事】
シフトのリターン・スプリングとクラッチ・スプリングの交換~其の2 - 自分だけのカタナをつくる ~ Bike &DIY ~
GSX1100S F.C.C ADVANTAGE 強化クラッチキット | カタナいじり日記