シフトシャフト〜クラッチの組み立て(1)
土・日の熱中症予報は厳重注意ということでした。予報通りというか、土曜日は一滴の雨すら降らず。うだるような暑さでした。いつもの倉庫(鉄骨スレート葺き)でバイクをいじるのはさすがに控えました。翌日の日曜日は、いくらか暑さも和らいだということで、午後から作業に取り掛かりました。
最初は、シフトシャフトのオイルシールの組み込みからです。
オイルシールです。左が新品。右が外したものです。古いオイルシールは、一見してそんなに損傷がないようですけれど、シャフトが曲がっていた以上、穴が微妙に広がって癖がついているかと思われます。交換するに越したことはありません。
新品のオイルシールには、組み込みやすくするためとシフトシャフトとの密着をよくするためにオイルを全体に塗布します。それからオイルシールを(向きに気をつけて)シャフトの穴に指で押し込めるところまで押し込みます。そのあと、ご覧のソケット(17ミリがサイズ的にピッタリです)をオイルシールに当てて、プラハンで軽く何度か叩きます。しっかりオイルシールが穴の奥まで入ったことを目視と指で確認します。
オイルシールの組み込み完了です。
次はシフトシャフトの組み込みです。
上が外したシフトシャフト。下が新品です。スプリングとカラーが別部品になっています。
先ほどのオイルシールと同様に、部品組み立ての前にオイルをそれぞれの部品に塗布します。
シフトシャフトの組み立てが完了しました。
シフトシャフトをクラッチ側から組み込みます。
シフトシャフトの組み込みは、隣のギア(=ギアシフトカムドリブンギア)と噛み合わせるだけで作業的に難しいことはありません。ただ一点だけ、
お互いのギア同士を噛み合わせる際に、ご覧のように一直線上になるように気をつけて組み込みます。
エンジン左側(シフトペダル側)から見たシフトシャフトです。
最後に、新しいワッシャーとサークリップ(対策品)を組み込みます。シャフトを前後に軽く揺すって、ガタがないかを確認します。OKでした。
クラッチ側を組み立てていきます。
最初は、プライマリドリブンギアです。
組み込みの前に、
NorthFox (id:sword749)さんもコチラで交換していらした、クッションを確認します。
いまひとつ状態が分からないです。取り出してみましょう。
左が取り出した古いクッション。右が新品。うーん……若干潰れているといえば潰れています。この際、交換しておきましょう。
クッションも新品に交換して、いざ組み込みです。
カウンターシャフトにプライマリドリブンギアを組み込む際ですが、
プライマリドリブンギアのここの切り欠きと、
この突起とが噛み合うように組み合わせます。
プライマリドリブンギアが組み込めたら、
ニードルベアリング、次にスペーサーの順番でカウンターシャフトに部品を通していきます。(ここでも、組み込み前にオイルを部品に塗布しておきます)スペーサーのボルトは、取り出し時に(抜きやすいように)仮にセットしたものです。スペーサーの組み込みが終わったら抜いておきます。
スラストワッシャーは……整備書(GSX750S カタナのもの)によると、
“溝のある側を中に向けろ”ってことですね。(あとから家に戻って確認したところ、1100Sのマニュアルにも、きちんと書いてありました)関係ないけど、上の注意書きに“クラッチハブ(=プライマリドリブンギア)の裏側にあるゴム製のダンパープラグ(=クッション)を確認しろ”とあります。先ほど、クッションは交換済みです。
プライマリドリブンギアの組み込みが終わりました。
次は、クラッチスリーブハブ一式*1を組み込みます。
ワッシャーはもちろんですが、センターロックナットも念のため新品に交換します。センターロックナットをカウンターシャフトにセットする際は、齧り防止のためにロックタイトなどを塗布することをお勧めします。
センターロックナットをある程度まで手で締め込んだら、クラッチホルダーでクラッチスリーブハブを固定します。センターロックナットは、規定のトルク値で締め込む必要があります。
(東日のトルクレンチを普段使ってるんですが)この機会にデジタルトルクレンチを使ってみようと思います。四輪のカスタムをするリアリティ番組で頻繁に登場するのを目にして、一度は使ってみたいと思ってました。あらかじめセットしたトルク値に達すると、音と光で知らせてくれるという例のアレです。
……電池も入れて準備も整い、いざセンターロックナットを締めようと思ったのですが、
あちゃー……サイズが合わねえ(変換アダプタもない)
次回へ続きます。
シフトシャフト〜クラッチの分解(1) - 晴れた日はオートバイに乗って
シフトシャフト〜クラッチの分解(2) - 晴れた日はオートバイに乗って
シフトシャフト〜クラッチの分解(3) - 晴れた日はオートバイに乗って
シフトシャフト〜クラッチの分解(4) - 晴れた日はオートバイに乗って
*1:クラッチスリーブハブ・コニカルスプリングワッシャーシート・コニカルスプリングワッシャ・クラッチドリブンプレート・ストッパリング。1100Sマニュアル参照。