つまらないストレスに晒されるのであれば、そうした選択になるのも仕方ない。
今年に入り、過去記事をずいぶんと整理したので、公開している記事内でリンク切れを起こしているものがあります。書き直して更新するたびに、ほとんど同じ内容のものが新規の記事として購読者に知らせがいくシステムを考えたとき、『それならいっそ、まとめ記事を書いたほうが良かろう』ということで、少し早いですが、今年に起きたカタナのトラブルの総まとめです。
3月14日。*1 昨年の9月から入院していた俺のカタナが帰ってきた。思えば、この日が今年のピークだったな。
3月28日。納車後初のツーリング。いつものGSで給油後にセル回すが「カチ」とも言わず。完全なバッテリー上がり。最初の JAF による引き揚げ。バイク屋に連絡したが、返事なし。*2
4月11日。オルタネーター交換。この頃にはバイク屋と連絡がついていたが、店主は事故で入院。ネットで花を贈り、後日、手土産持参で自宅へ行き、店主の奥さんから入院中の店主の様子を聞く。病院には見舞いに行かず。義理は果たした。
4月16日。とうとう iPhone のバッテリーが死ぬ。自力で交換。
4月17日。オルタネーターとバッテリーをリチウムに交換後に近所を走行。2回目のJAFによる引き揚げ。JAF に加入。
当時、犯人の濡れ衣を着せられたリチウムイオンバッテリー。すまぬ。お前を疑って悪かった。
4月27日。リレー・レギュレーターも交換。満を持してのツーリングのはずだったが、3回目の JAF によるピックアップ。場所は綾部。これまでで、運搬の最長距離となった。帰りの車中で、福知山の某SBS店の店主と喋る。後日、この店に電話入れてしばらく話すが、(他店購入などの理由により)修理を請け負うことをやんわり拒否される。
電気系統以外で発覚した不具合。(症状としては、かなり早く出ていたが、電気の不具合に気を取られ、対処したのは、かなり後になってからになった)サイズ径の違うインシュレーターを組み込まれ、過度なバンドの締め付けのほか、キャブレターの同調はバラバラで全く取れておらず、アイドリング時にスロットルを煽るとその後に回転が落ちていかない……という酷い状態。(アイドリングの回転数も異常に高かった)このあと、インシュレーター及びバンドを交換、同調を取りなおした。
ほかに、スイングアームピボット部のフレーム貫通のボルトの緩みも判明。手の指で簡単に回せるぐらい、緩んでいた。*3
こんな状態で、どうして納車できたのか。理解不能。
5月3日。急転直下、電気系統の不具合が解消。バッテリー上がりの原因は、レギュレーターのアースの接触不良と判明。もともとは、店側の取り付け作業後の確認忘れが原因。アースを移動して取り付け後に電圧を計測。正常値を示す。あっさり問題が片付き、拍子抜けする一方で、バイク屋に対しての怒りは頂点に達し、完全に店と縁を切ることをこのとき決意。
(ブログに寄せられたコメントは、解決に至る重要なヒントとなりました。本当にありがとうございました)
5月10日。すべての不具合が解決後、初のツーリング。この直後、悪夢が待っていた。
その悪夢。福井県山中にて。停車時にサイドスタンドが甘めに掛かっていたのが原因。立ちゴケではない。(ぱっと見て気づかない程度の)斜面だったことも災いした。
修復のため、社外品のアッパーカウルを購入。*4初めての吹き付け塗装にトライする。
なんとか塗装が完成。
6月17日。カウル装着後、初の走行。
6月24日。無事、車検に合格。
バイク屋へは、修理開始の際にまとまったお金を渡し、その後、数回に渡る追い金。修理費用の合計は2桁台後半で収まりました。その後の不具合により掛かった経費を含めると、3桁万円は軽く超えているとおもいます。JAFによる3度の輸送は、かなり堪えました。
細かい点を言えば、フロントのホースは手直しでなく、新規に作り変える約束でした。パーツは純正品にこだわらないと言ってありましたが、フロントのカウルの取り付けボルトは紛失したのか、すべて違うものに代えられており、トップのボルトに至っては、明らかに中古部品の間に合わせでした。ほかの部分のボルトも新品とはいえ、カウルに使用するような化粧ボルトの類ではなく、フレームに使われているものと同じもので留めてあります。なぜ、純正部品を入手しなかったのか……面倒くさかったとしか思えません。
機能的に必要な作業は、お任せ状態にせざるを得ない部分がありました。店主の性格もあって、事前の相談なしで追加作業が進められていくことに不満がなかったわけではありません。クランクの軽量化は、OH時の基本メニューということでしたが、イグニッションコイルの取り付けプレートの新規作り直しやキャブレター後部の粉塵ガードなどは、どうしても必要な作業といえず、それらの部分のコストをほかの本来必要な追加作業(例えば、フロントホースの新規作り替えなど)に回して欲しかったというのが、偽らざる気持ちです。
正直、後半のほうは、こちらが催促しないと、ずるずると作業は長引き、追い金が膨らみ続けそうな恐れを感じました。最後に頼んだ右スイッチの交換には予想以上に時間が掛かり、『頼まなければよかった』ともおもいました。実は、今カタナに積んでいるキャブレターと同じものを一基、店に預けています。(自分で行うよりも完璧な作業を期待して)キャブレターピッチをカタナに合わせて変更する作業を頼みました。たぶん、引き取りに行くことはないとおもいます。(預けたキャブレターは、固着のない程度のいいもので、15,000円未満ぐらいの値段で自分が入手したものです)
必要以上のリスペクトを、当然のように求められる古い業界の体質に、自分も含めてお客が我慢できるのは、内容が伴ってこそのことです。それでなければ、お金を払った上に主従関係のような立場に甘んじるようなこともないとおもいます(お分かりかとおおもいますが、この場合の“主”はお客ではありません)
『去年はお客をずいぶん切った』
店主が俺に言った言葉です。彼が切ったというお客の中には、俺の見知った人間もいました。通常「出入り禁止」になるようなトラブルとは、営業の妨げになるので仕方なく、という場合(店内で暴れるなど)に限られるとおもいますが、俺が存じ上げているその方は、少なくとも俺よりはきちんとした一般の常識をわきまえた人物だったと記憶しています。
こうした体質を生み出す一助になっているのは、雑誌の影響もあるとおもいます。ショップの紹介の最後に『お店にお伺いする際は、失礼のないように』などの文言を目にすることがありますが、接客業の経験もある自分から言わせてもらえば、ああしたお客に対することさらな“強要”は、他業種ではあり得ないことです。
『これだけ性能が良くて手頃な値段の国産のバイクが沢山あるのに、なんでわざわざバカ高い輸入車を買う必要があるんだろう?』
以前は、そうおもっていました。しかし、一般人よりも経済力に余裕のある人間がバイクを選ぶとき、先のようなストレスに晒されるぐらいであれば、そうした選択になっていくのも仕方ないことだろうと、最近は、おもうようになりました。