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リターンライダーにお勧めのバイクとは?

どこをどう見ても、ご本人の体型に合わない、ブカブカ(もしくはパツンパツン)のジーンズ*1を穿いているヒトを、たまに街で見かけることがある。

 

“そんなにジーパンが穿きたいのなら、ローライズにすればいいのに”

 

身に合わないジーンズを穿いて歩いている人間を出先で見るにつけ、余計なお世話だが、ついそう思ってしまう。通常の股上の深さであれば腹の贅肉が邪魔をして入らないケースも、ローライズならほとんどの人間が穿くことができる。しゃがんだ時に尻の割れ目が見えるのを気にするなら、(ブランドのロゴが外から見えるように)おしゃれな下着を穿いておけばいい。

 

『(ファストファッションで売られているような)ストレッチジーンズなど、格好悪くて穿けない』

 

そういうことをおっしゃる同年代の方もたまにいるようだが、オールドファッションの定番デニムに固執しなければ、(極端に股上が浅いローライズでなくても)今は、一般のジーンズが販売されている近所の店で、世代を問わず(痩せていようが太っていようが)自分の体型に合ったサイズと形のものを簡単に見つけることができる。今は、ワンサイズにつき股下の長さが複数設定されているのは普通のことだ。

 

『革パンは、サイズぴったりのものじゃないと格好悪いですよ』

 

某専門店で、ずっと昔にそうアドバイスされたことがある。デニムにしたところで、(特に自分のような中年以降の人間が)身に合わないものを穿いていると他人から見て格好が悪い。

 

週間バイクTVだったか?(確か末飛登さんがおっしゃっていたと思うが)昨年にバイクを新車購入した世代で一番割合を占めているのは、50代ということらしい。(探したが、番組で言われていたことを裏付ける、それらしい根拠やデータはネットで見つけられなかった)

 

『すみません。この時代のバイクは特に重いので……後ろから支えていただけませんでしょうか?』

 

今年、某ロードサービスにお世話になった際、自分のバイクを積載車に積み込む際に、そう言われた。1983年製造の自分のバイク*2は、最新型のものに比べれば取り回しが確かに重い。自分に補助を求めたサービスマンは、バイクの経験はあると言っていたものの、年齢は30代ぐらいに見えた。

 

高校卒業後しばらくして、モラトリアムの時期にもいい加減にケリをつけようと一念発起して家を出て就職。就職先では、仕事内容に耐えうる体力作りをする必要に迫られ、約20年間生きてきて、ろくに動かしたこともなかった筋肉を、6ヶ月間に渡り徹底的にいじめ抜く訓練を否応なく受ける羽目になった。その後、地元に帰り再就職し、数年後に中型自動二輪*3の免許を取得。遅咲きのバイクデビューだった。

 

『少なくとも20代の半ばまでに何らかの形で体を鍛えた経験がないと、年を取ってから何かスポーツを始めようとしても難しい』

 

6ヶ月の研修も後半のある日、自分の担当の上司がそう言っていた。

 

そろそろ体力が落ちてくる年代に差し掛かり、自分自身を振り返ってみれば、あのハイティーンのモラトリアムの時期でさえ、アルバイトは苛烈を極める肉体労働だった。腹が出てきたからと言って、ローライズのデニムに穿き替えたり、体型に合わせた革ジャンをあつらえたりと、外見は見苦しくないように体裁を整えることはできるだろうが、ややもすれば衰えていく反射神経と体力は自身で鍛えるほか方法はない。

 

(久しぶりにバイクに跨ることになる)リターンライダーには、乗りやすいのはもちろん、安全面もある程度は担保される観点から、ABS付きの最新型のバイクを選ぶことを個人的にはお勧めする。まずはそれに慣れてから(若い時分に憧れた)大きくて重いバイクに乗り換えても決して遅くはない。

 

  

*1:定番のリーバイス501など。

*2:GSX750S2。いわゆる750cc版のカタナ(2型)。

*3:現・普通自動二輪。