紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ

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映画に登場するバイクたち

夕方、切らしている日用品を買いにちょっとだけ外出しました。

帰り道で“ハーレーダビッドソンとマルボロマン”仕様のアメリカンと遭遇。

最近では滅多にみかけなくなりましたけど、すぐそれとわかりました。

信号待ちしているときに横切っていったのを一瞬だけみただけでしたが、

ベースはたぶんヤマハのドラッグスターあたりでしょうね。

 

(ここからはネタバレな部分が含まれるので注意です)

 

あの映画が公開されたときには、日本ではバブルはすでに崩壊してましたが、

アメリカでは(日本の対米自動車輸出が好調だったせいもあって)

対日赤字が悪化していました。

(皆さんのなかにも覚えがある方がいらっしゃるとおもいますが)

アメリカの期間工のような風体のヒトたちが日本製の自動車を取り囲んで、

手に手に持ったハンマーを振り下ろしてスクラップにする、

というような内容の動画が本国アメリカのみならず日本のメディアでも

繰り返し放送されていました。

 

映画のテーマ自体も相当に保守色の強い、アメリカの原点回帰を目指す、

というような内容で、その象徴のひとつとして、

(カワサキのたぶんZ1か Z2だとおもいますが)

『このポンコツめ!』

と主人公のひとりであるマルボロマンの乗っていた日本製バイクが

拳銃で撃たれて破壊されるシーンがでてきます。

クルマがバイクに変わっただけで、制作者の意図は充分伝わってくる場面です。

主人公2人が敵対する勢力の後ろにいるのも日本企業ということで、

完全にこれは当時のジャパンバッシングを象徴した映画でした。

『こういう内容の映画を日本の配給会社も公開することをよく決断したな』

と公開後にしばらくしてから家でレーザーディスク(今のヒトは知らないでしょうね)で見ていておもいました。

 

ゼファー1100を『マッドマックス』のグース仕様にしたり、

アニメ『アキラ』に登場する金田少年のバイクを実車として制作したり、

映画のなかに登場するバイクをモデルとして実際につくられることはありますが、

この“ハーレー&マルボロ”仕様のアメリカンもかなり一時期流行りました。

つくるほうも乗るほうもどういう思いかは俺には想像出来ません。

案外、こういう場合はこだわりがないほうが、人生は楽しく生きていけるのかな、

ともおもいます。