フロート室のOリングを交換しただけでエンジン不動!?
ホンダのディオZX(2サイクル・AF35)の修理。
キャブのフロート室とキャブ本体の隙間から燃料が漏れていた。
バッテリーを充電し、エンジン始動はOK。
へたっていたフロート室のO(オー)リングを交換し、燃料の漏れは止まった。
キャブを組み付け後に再びセルを回したが、なぜかエンジンが始動しない。
『おかしいな。Oリングを交換しただけなのに。なぜだ?』
スパークプラグからは火花が出ていることも確認した。
キャブまで燃料も来ている。
『キャブをいじったことが原因なのは間違いない』
そこから紆余曲折、キャブレターを分解して念入りに点検しながら分解清掃。
やっと原因が判明した。
以下の図を見て頂きたい。
ディオは、オートチョークからフロート室へ降りてきているパイプがキャブの燃料を赤い丸で囲んだ小さな穴から吸い込むことによりエンジン始動が可能となる。要するに、この真鍮で出来た小さな穴(=管?)が詰まると、エンジンの始動が出来ないということになる。結局のところ、エンジン不動の原因は、この小さな穴が詰まっていたことが原因だったことが分かった。だが疑問が一つ残る。
『でもOリング交換前はエンジン始動は出来ていたよね?』
そう、確かに出来ていた。理屈に合わない。
だが、これも不動の原因を調べている過程(=キャブのオーバーホール)で分かった。
エンジンが始動できていたのは、オートチョークのパイプが刺さっているフロート上部の大きな穴へ漏れ出た燃料が常時流れ込んだことによるものだった。
本来燃料を吸い込むべき穴が塞がっていても、道理でエンジンがかかったわけだ。
(ツイッターをご覧になっている方はご存知かと思うが)この車両に関しては、他にもハーネスの修理やら、途中でシートが開かなくなったりと…色々と勉強させてもらった。(以前にも言ったけど)いずれにしろ、キャブは完全分解しての洗浄が基本ということですね。