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お袋と軽トラ

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リュックを背負ったお婆さんが、隣市から徒歩でうちの地元のディスカウントショップまで買い物に通ってるのを見たことがある。いわゆる買い物難民だ。途中に2kmほどのトンネルがあるんだが、排ガスまみれになって重い荷物を背負って歩くことになる。そのディスカウントショップも、今年に入って潰れてしまったから、『あのお婆さんは今頃どうやって生活してるんだろう?』と、そこの前を通ると思う。(隣市のコンビニでも、お爺さんが同じようにリュックを背負って買い物に来ていたのをみたことがある)

宅配サービスを毎夕食利用してるヒトも近所に多くいるけれど、『仕事で忙しくて作れない』と言う場合がほとんどだ。こういったものを、お年寄りの多くは『贅沢すぎる』と思うから、病気で寝込むことでもない限り利用することはほぼない。

『公共の交通機関を利用すればいい』と言うヒトは、ファスト風土と呼ばれるような田舎の郊外にでも一度住んでみればいい。街の中心へ出るバスは午前に一本、帰りは帰りで午後に一本だけあるバスをひたすら待ち続けることになる。デマンド型の乗合タクシーもあるにはあるが、自分の都合のいい日や時間に利用できるとは限らない。

 

うちのお袋は今年76になるが、マニュアルの軽トラを普段の足にしている。親父を診察に連れて行ったりする際は俺のクルマに乗せて行くんだが、病院へ定期的に薬を取りに行ったりするのは、お袋が軽トラで行く。

俺自身は二ヶ月に一度のペースで通院してるが、(薬局の待合室などで見ていると)お年寄りを病院へ送迎をする家族のヒトも大変だ。息子夫婦が共働きの場合だと、一ヶ月や二ヶ月に一度、親が通院するスケジュールに合わせて仕事を中抜けしてるヒトもいるようだからね。職種によっては、そういう融通も効かない場合も当然あるだろうよ。

時々、お袋の軽トラを借りて乗ることがあるんだが、たまに備え付けのドリンクホルダーにコーヒーやジュースの空き缶が入ってることがある。軽トラの中は、お袋が煩わしい雑事から解放されて唯一ひとりになれる場所だし、たぶん、買い物や用事を済ませた駐車場なんかで一息ついてるんじゃないかと思う。親父は病状が進んで完全介助の状態だし、おむつとかも毎日大量に使う。日常の食料品と合わせると、買い物に行くだけでかなりの重労働だ。お袋が気にするといけないので、俺はドリンクホルダーの飲み物の件については触れることもないし、見て見ぬ振りをしている。

 

追記。

 

自分の知り合いも、(2年ぐらい前かな?)営業中に店に突っ込まれて大怪我をした。最終的には弁護士立てる事態にまで発展したようだわ。示談書にはハンコをついたが、体の状態は事故前と全く同じというわけにはいかないようだ。

『マニュアルを運転させればいい』

そういう意見もあるんだけどね。俺がクルマ屋でバイトしてたとき、

『おまえ、ニュートラルに入れてなかったのか?』

って親方から怒られたことがあった。

バイトに入ってまだ日が浅い頃で、普段の癖がうっかり出てしまって、お客さんのクルマを出してきたときにギアを入れて停めてたんだな。それで、お客さんは、シフトノブに触らないで(クラッチを踏まないで)エンジンをかけてしまったというわけ。*1 サイドブレーキはしっかり引いてたから、エンストしただけで済んだんだけどね。マニュアルを日常的に運転してるなら、始動の際にクラッチを踏む癖は当然ついてるだろうと普通はおもうんだが、何も考えないで座ってメインキーをいきなり回すヒトは実際にいるんだよな。お客さんは、40代ぐらいだったな。客商売的には、勉強にはなったけどね。

 やれどこかで大声挙げて店員に怒ってたとか、今はなんでもかんでも「年寄り憎し」みたいな風潮になってるよな。そういうのがあまりにも多いんでさ。『嫌な世の中になったもんだ』と単純におもう。それだけさ。(『自動ブレーキシステムが後付けできるようにしたらいい』というのは、自分の知り合いも強く訴えてたね)

 

 

*1:俺は今50だから、バイトしてたのはずいぶんと昔の話です。最近のクルマのシステムとは少し違います。