塗装材料メーカーの 販促用 HOW TO PAINT 動画。
今回は、作業動画の解説です。と言っても、自分なりの説明ですので、多少わかりにくい部分があるかもしれません。また、バイクやクルマの塗装に興味のない人間にとっては全く用がない内容であることを最初にお断りしておきます。
動画の概略を簡単に説明すると、『うちの製品を買ってもらうと、こんな感じで綺麗に塗装が仕上がります』という販促動画です。
塗装前の準備として、ヘルメットは内装を外して分解しています。この方法だと、マスキングの手間も要らないですし、塗装時のミストが内装へ回り込むことに神経を遣うこともないんで楽です。一方で、自分で内装を元に戻した場合は、その後のヘルメットの安全性の担保はされないので、その点は承知の上でやることになります。ヘルメットメーカーによっては、内装の交換を安価(数千円程度から)で受け付けているところもあるので、自家塗装後にそういうサービスを利用するのも手かもしれません。
スナップボタンの穴を直接パテで塞いだ*1のちに、乾研ぎを終えたところです。
サーフェイサーは二液性のウレタンスプレータイプを使用していました。
一般ユーザーの自家塗装する場合も考慮して、できるだけ簡単にということだと思います。日本で一般的に販売されているスプレー缶タイプのサーフェイサーはアクリルがほとんどです。
このあと、“GUIDE COAT”という別のサーフェイサーを吹いています。巣穴の凹凸などを塞ぐ役目のものと思われます。研いだ際に、巣穴の位置をより分かりやすくするためか、先に塗ったサーフェイサーよりも若干黒いです。
サーフェイサーの乾燥後は水研ぎです。
乾燥して、ホコリを取ります。
キャンディーカラー仕上げのための第1層として、シルバーを塗ります。
次に、2層目はメタルフレークをクリア塗料に混ぜ、
吹き付けます。
一晩乾燥させたのち、水研ぎします。日本では(メタルフレークを研磨すると発色に影響するという考えのもと)タッククロスなどでゴミを取りのぞくのみで、研ぐことは ないと思います。
もう一度クリアーを吹き付けています。いわゆる“捨て吹き”というやつです。この場合の捨て吹きは、塗装面を保護する目的です。
クリアの捨て吹きに関しては、以前にコチラの記事でも触れました。
画像の社外品のカウルを自分で塗り分けした際に、一色ごとにクリアを捨て吹きすることで、塗装面の保護と塗装色間の色にじみを防ぐことができました。クリアの捨て吹きは非常に重要な工程です。
塗り分けのためのマスキングです。このあとにキャンディーブルーを塗ります。
硬化剤を混ぜる場面はなかったので、先のクリアも含めて、使用している塗料は全て1液性のウレタン塗料のようです。
キャンディーブルーを塗り終え、マスキングを剥がします。
マスキングを剥がし終えたら、塗装面保護と塗装色間の段差解消のためにクリアーを吹き付けます。前述の“捨て吹き”です。
捨て吹きのクリア塗装を終えたら乾燥です。
クリア塗装の乾燥を終えたら、次の重ね塗りのためのマスキングテープ貼り、そして塗装と……工程は進んでいきます。
型紙を使ったステンシル塗装です。
一色塗り終わるごとに塗装面の保護のためにクリアの捨て吹きをします。
クリア塗装は何回か重ね塗りしてツヤツヤにします。蛍光灯の光で “ゆず肌”になっていることがよくわかりますが、仕上げの際に平滑な面に磨きますので大丈夫です。
マスキングを剥がして、
先ほどと同様に、段差を解消するためにクリアーを吹きます。
塗装面の“ゆず肌”を平滑な面にするために水研ぎします。
自分がクリア層を研ぐ場合は水研ぎをせずに、トレカットなどを用いて以下のように乾研ぎをします。
そして、最後のクリアー塗装(上塗り)。
最後にペーパーがけを行い、ポリッシャーで磨いて(=バフがけ)完成。(“WET”って特別に注釈がないってことは、最後のペーパーがけは乾研ぎでもいいってことなんだろうか?)
最後のクリア塗装後のペーパーがけ。普通のサンドペーパーで水研ぎをしてしまうと、ペーパーから剥がれ落ちたカスなどでクリア層が傷ついて白く曇る心配はあると思います。
*1:自動車板金に使うパテということで、(穴埋めにも使えるということですが)貫通した穴に使用して剥がれ落ちないか見ていて少し心配になりました。特別にファイバー入りということでもないようでしたが。