紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ

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生まれ育った環境もその矜持も、ヒトそれぞれだなと改めて思っただけのことさ。

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 週末の道の駅でロータリーの遊歩道の際ギリギリにバイクを停めて、遊歩道の縁に腰を下ろす。こうして、他のバイク乗りを眺めていて、時々、ふと思うことがある。

 

“この中にも、いるんじゃねえのかな?”

 

 SNSなんて言葉もなかった頃のこと。当時取ってた新聞に『女子大生の間でブログが流行っている』と、ある日、生活面の記事に出ていた。ブログ元年とか言われる2004年よりも前だから、2003年頃のことだと思う。*1

今のブログと違って、どこかで拾ってきたニュースに、記事内でリンク貼っただけのようなレベルのブログに、月に何万ページビューものアクセスがあったりした。あの当時に、今のようなアフィリエイトがあったかどうか覚えていないが、もしあったとすれば、簡単に収益が上がったことだろう。

 

 

 

 

 

そのヒトのブログには、今の俺のブログみたいに、トップページに愛車の大型バイクの画像が貼ってあった。そのヒトも俺と同じ“限定解除”組だった。*2

 

“この(トップページの)画像はおまえのバイクか。カッコつけてるつもりかよ?”

 

2003年当時、大型二輪の教習はとっくに始まっていたが、試験コースの規模など、物理的に改修を行わなければ、条件をクリアできない教習所が少なくなかった。「指定」の許可を受けた教習所はまだまだ少なかった。*3

大型の免許を自分よりも先に手に入れた人間に嫉妬心があるのか、ブログを開設する大型のバイク乗りのところには、心ない誹謗中傷の書き込みをする者が少なからずいたようだ。

 

俺が兵庫県明石の試験場へ限定解除に合格するべく通っていた頃、遠方の受験者の中には、豊岡から、ほぼ毎週のように受けに来ていた者もいた。*4 俺にしたところで、その日の交通事情により、実家から試験場への往復の移動時間だけで3時間以上もかかることがあった。

 俺のものの考え方は、当時からあまり変わっていないところがある。手に入れたいものがあるなら、自分のいる場所からどうすればそこへ辿り着けるか、それを考えるだけだ。人間は生まれた時から皆平等ではないし、他人を呪ったところで欲しいものは手に入らない。「自分のいる場所(=生まれ育った環境)」は、ヒトそれぞれということだ。

考えてみれば、教習が始まってから大型二輪免許の所有者が増えたのは、多分に精神的な面も影響しているだろう。教習にしたところで、(職種にもよるかもしれないが)どこかの時点で有給などを取って消化しなければならない場面が必ず出てくるだろうから。一概に、教習がなかったから大型に乗れなかったということも言えない。

 

“この中にも、いるんじゃねえのかな?”

 

あの頃、教習で免許を取った者はもちろんのこと、散々な苦労をして限定解除をした人間にまで嫉妬していた、俺と同年代のバイク乗りも、その多くが、今は同じ大型のバイク乗りになった。

 

“一度取ってしまえば免許に違いがあるわけじゃなし。細かいこと言うんじゃねえよ”

 

いや、俺はただ、生まれ育った環境もその矜持*5も、ヒトそれぞれだなと改めて思っただけのことさ。

 

 

 

*1:「ブログ元年」については2003年説もあり。

*2:俺が当時の中型免許(現・普通自動二輪)から限定解除したのは1994年10月。当時の限定解除試験の全国平均の合格率は6%。

*3:1996年9月より「指定自動車教習所」での大型自動二輪教習が開始。

*4:当時の明石での限定解除試験は、毎週火曜日と木曜日に行われていた。

*5:きょうじ。自分の能力を信じていだく誇り。プライド。