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あの時代のバイクに憧れていたヒトたちへ(2)

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価格が高騰する80's〜90'sのバイク

ゼファーシリーズの価格がひと頃よりも上がったということは、Zの国内での需要はどんどん縮小していく傾向だとおもう。(以前からそういう傾向があったが)日本人でも一部のお金持ちが買うだろうけど、Z1・Z*1などの主な市場は海外へ移っていくだろうな。売り手からすれば、数年前にゼファーの生産が終わったことは歓迎しただろうね。車両本体の価格もさることながら、購入後の維持費自体が高額になるZよりもゼファーのほうが一般客には勧めやすいし、売りやすいから。まあ、でも往年のZほどの人気を博することはないとおもうし、価格も適当なところで安定するだろう。市場規模自体もZほど大きくはならない、とおもう。いくら、雑誌が特集を組んで煽ったところで、限度がある。

限定解除*2後、俺が最初に買ったバイクは、GPZ750Rだった。価格は20万。当時の相場の下限だ。900のニンジャ*3ではなく、750ccにしたのは、900の相場の下限が750よりもさらに10〜20万高かったからだ。当時は金がなかったし、自分で手を入れて乗ることを前提に入手することを考えれば、当然の選択だった。あのとき購入を諦めた900ニンジャも、数年前から価格が高騰、当時の相場の倍の値段で普通に売られていたりする。

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他人に薦めるなら、迷わずニンジャを推す。

1100S*4は、ニンジャの価格高騰以前から、アニバーサリーやファイナルエディションが当然のごとくに3桁万円で売られている。最近に至っては、それ以外の車両も、少し程度が良いと100万円を下らない車両が多く販売されるようになり、ニンジャと相場の吊り上げで競争するような形になっている。こうなってくると、30年以上前に製造された750のカタナ*5の30~40万という、いまの相場が安く感じられるから不思議なものだ。

ニンジャは、生産終了まで継続生産されていた関係で、カタナに比べて状態の良いものが多く残っている。継続生産の間に、フロントホイールの17インチ化やフォークの大径化などの改良もなされて、俺が新車で購入したA12に至っては、ずいぶんと乗りやすくなっていたようにおもう。*6 

最近のニンジャの価格高騰*7は、紛れもなく、先導するカタナの相場が影響しているとおもうが、俺自身がカタナとニンジャの両者のうち、どちらか一方を他人に薦めるのならば、迷わずニンジャを推す。勘違いしないでおいてほしいのは、俺が推す理由は、(好みの問題はさておいて)生産終了まで継続生産されていたニンジャのほうが、高年式で程度の良い車両が手に入るという意味のみにおいてだ。*8

ニンジャとカタナは、昔から、ともするとライバルのように表現されることが多い。しかし、カタナはネイキッドの空冷エンジン、ニンジャはフルカウルの水冷エンジン(当然のごとく、リアサスはモノショック)と、その佇まいから何から、両者は趣きを全く異にする。共通しているのは、ほぼ同時期に世に出たということと、オンロードで大排気量車(強いて言うならツアラー?)ということぐらいで、どちらを選ぶのかは好みというしかほかはない。

(A12〜14の)比較的、高年式のニンジャにおいても、80万円とかいう金額は『ぼる*9よね〜』って感じだが(笑)こういう価格設定は、きちんとした市場調査の結果に基づいたものであるということを、買う側は、一応、頭に入れておいたほうがいいんじゃないだろうか?特定の年代・年齢層のほとんどが『無理すれば買える値段』を設定していることをよく理解した上で、それでも『敢えて』というなら、俺は止めはしない。

(つづく)

*1:カワサキ・750RS

*2:1994年10月。

*3:カワサキ・GPZ900R

*4:スズキ・GSX1100S カタナ。

*5:1・2型。

*6:俺のA12では、キャリパーが対抗4ポット(A7~)から対抗6ポットへ変更された。

*7:カワサキでは、ゼファーシリーズがニンジャよりも先に価格高騰の口火を切った。

*8:よく『ニンジャはいじってある車両が多い』と言われるが、アップハンドルへの交換とミッド・アンダーカウルの撤去ぐらいのものだ。ラジエーターが交換してある車両でも、ボアアップなどは施されていない場合がほとんどだ。レーシングキャブがファンネル仕様で装着してある車両に関しては、ほかの中古車を選ぶ場合にも注意する点なので、ニンジャだけが特別だというわけでもない。

*9:“暴利を貪る”という意。