紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ

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『これは許容範囲だよ』の裏側。

このセリフをバイク屋が吐くときは、大抵の場合『これは分解すると面倒なことになりそうだな……』ってことだとおもうよ。

 

カタナでいうと、1100も俺の750も、キャブのパイロットスクリューがキャブの上面に位置してる関係で、カタナはパイロットスクリューが固着してる車両がすごく多い。雨のなか走ったあとに、タンク外して、キャブの水分や泥汚れまで拭き取るライダーなんて、ほとんど皆無といっていいから。コンプレッサー持ってる俺にしたところで……いや、持ってるからこそ、そんな部分まで普段からメンテしてるやつなんていないよ。断言するわ。

パイロットスクリューの固着は厄介だぜ。真鍮だから、マイナスドライバー引っ掛けて、ドライバーの尻を叩く…みたいなことやると、簡単に「パキッ」って逝っちまうから。真鍮は硬くて脆いから、一発だ。

あと、スタータープランジャーの固着。俺はカタナの中古のキャブはずいぶん取り寄せたクチだけど、まず届いた荷物あけて、一番にスタータープランジャーをチェックする。ここが固着してるキャブは、大抵使い物にならんから。なかにはキャブ本体から全く引き抜けないぐらい固着してる(というか固着してる場合はほとんどそうだけど)場合があるけど、薬にドブ漬けしても、なにやってもダメだった経験がある。ここ数年で、俺が出した結論としては、現存するカタナの純正キャブでまともに使えるキャブは存在しない、と言っていいとおもう。

 

あとね。この『許容範囲』って言われたときは、何気に自分がお客として幾分安く値踏みされてるとおもっておいたほうがいいよ。面倒な作業になっても、最終的には店の方もお金次第だから。悲しいけど、それが現実なのさ。

うーん…ここの固着は正直言って厄介だなあ。これはレーシングキャブに交換すりゃ一発で解決するんだけど……このオーナーがそこまでの費用を出すかだよなあ。さあて……どう言えば納得して帰ってくれるかな?

言いたかないけど、女性オーナーは機械に詳しくない、ってイメージが一般的にあるもんで。そこら辺りは、本当に店との信頼関係が鍵になってくるだろうな。

 

……キャブがオーバーフロー起こしてて『これは許容範囲だから心配ない』は、いくらなんでもねえだろう。だってガソリンを垂れ流しながら走ってるってことだからな(笑)