見ると聞くでは大違い、というお話。
どのくらい前のことになるかなあ。
ゴーカートってわかるかなあ?(うちから一番近いとこだと、神戸スポーツサーキット辺りになるのか?この連休も盛況だろうな)アレを、公道で乗り回すおじさんが近所にいて(笑)もちろん、ナンバーの交付も受けてない車両でね。
その方は、俺の家から数件先のおうちに住んでいて、定年退職後は、知り合いに譲ってもらったバイクを分解したり、自宅に物置を増築したりと、DIYを今も趣味としている。まあ、それはいいんだけど。
どこで入手したものか、そのおじさんが、ゴーカートを、近所の道路で走らせるようになった。当時、家の前の道路に面した場所には、古い木造の農舎兼離れが(フェンス代わりに)建っていた。それからしばらくして農舎を撤去し、きちんとした形のフェンスをうちが設置して事情は一変した。
二車線道路の農道と、うちの家の前の一車線半の道路が交わる角に、そのおじさんの自宅はある。人通りが絶えた時間帯や週末になると、決まって、そのおじさんが自分の家からゴーカートを引っ張り出し、エンジンに火を入れる。おじさんが、ゴーカートを道で走らせては、うちの家の前まで来ると、Uターンして帰る…という行為を、ちょくちょく繰り返すようになって、5〜6年は経過していたとおもう。今からおもうと、おじさんもおじさんだけど、放置していた(俺の家も含め)近所も近所だとおもう。決まってうちの家の前で引き返すのは、ちょうど、うちの家の前が曲がり角になっていることも無関係ではなかったのではないだろうか。曲がり角から向こうには、建て売りの住宅がひしめき合っている。いくらなんでもそこから先へ入って行くのは、さすがにおじさんも気が引けるのか、判で押したように、うちの家の前で引き返して行く。
結果的には、俺がこのおじさんに引導を渡す(=通報)ことになるのだが、そうさせることになった直接の動機は、おじさんがUターンを一発で決められないことにあった。Uターン時、ともすると、うちの家のフェンスへ突っ込みそうになったり、そうかとおもえば、道の反対側の消火栓へぶつけそうになっているところを、フェンスの金網越しに俺が頻繁に目にするようになったからだ。(農舎を撤去せずにいたら、そういう事実も確認できなかったろうな…)
『アレはあかんな。何れ近いうちに事故を起こす……』
ある日そう決意した俺は、警察へ電話をかけた。以下、俺が最寄りの警察署へ電話した*1際の再現になる。
俺:『あの…自宅の前の道路でゴーカートを乗るヒトがいてですね』
交通課『ゴーカート?』
俺『はい』
交通課『ふーん…それで?あなたは、それをどうして欲しいわけ?』
俺『はい?もちろん、注意して欲しいんですけど(何こいつ)』
交通課『注意ねえ…』
しばらくの間、交通課(の課長)とのやりとりは続いたが、『ナンバーの交付を受けていない車両が公道を走行している』ということを説明し『自宅の前で曲がりきれずに、いずれ衝突事故を起こす危険性がある』と伝えたにも関わらず、この課長の口をついて出てきた答えは『あなたには直接関係のないことでしょう?(事故が起きてから知らせて来いよ)』というものだった。*2
俺『とにかく、一度確認に来てください』
交通課長『(渋々)……わかりました。交番*3から確認に行きますが、結果はうちから報告したほうがいいですか?』
俺『はい。そうしてください。よろしくお願いします』
交通課長『◯◯警察です。行ってきました』
俺『どうでしたか?』
交通課長『(言いにくそうに)…たしかに、ゴーカートはありました。注意しておきましたので、今後はご近所を走行されることはないとおもいます』
俺『ありがとうございました』
どうも、この交通課の課長は、“ゴーカート”と聞いて、『どうせ子供の乗り物だろう?大騒ぎするなよ』とおもっていたらしい。実際にエンジン付きのゴーカートを目の当たりにした現場の警察官は『こんなものを公道で乗り回していたのか……』と心底驚いたに違いない。
神戸スポーツサーキットホームページより。