紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ

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異質な存在。

お盆休みが終わりましたね。ウチは田舎なんで、昔の風習やらが関係して、送り火は、もうすこし先です。俺がお盆の間に草刈りなどの農作業しないのは、せめてお盆の間だけでも(マムシをなどを始めとした生き物の)殺生をしないため、というのももちろんありますが、単純に、音がうるさいので、せめてお盆休みぐらいは近隣住民に配慮して、というのも理由のひとつです。

『草刈りなんか、役所に頼めばいいじゃないですか!』

ある日、俺がいつものように畦の草刈りをしてました。勢いよくドアを開けて外に飛び出してきたんで、何ごとかとおもって。ローターの回転を下げても相手の言葉が聞こえないので、最終的にキルスイッチ押して、機械止めたら…恫喝に近い感じで文句を言われました。

たぶん、俺が草刈りしてる場所を私道じゃなくて、農道だと思い込んでたみたいでね。向こうにしてみれば、農道=公道だから、保守に該当する草刈りは、役所の仕事だろう、という主張みたいでした。田んぼの畦に接してる道が、農道だろうが、私道だろうが、草刈りを役所にいちいち頼む農家なんて、日本中のどこを探してもいません。

 『こっちは、夜の夜中に仕事してるわけじゃねえし。ヒトにもの教える仕事をスレートの薄い壁一枚隔てたような場所でするか?ふつう。そんなに音が気になるなら、防音対策はそっちでするのが筋だろ?あとから越して来といてガタガタ抜かすんじゃねえよ!

……実際にこんなふうに言い返せたら気持ちいいでしょうね(笑)お盆は皆んなが休むイメージをもつヒトたちからすれば、ワザと騒音出して世を拗ねてる人間とも受け取られかねないし。俺みたいに独身で、子供もいないとなれば、そういうふうにみてるヒトは割といるんですよね。特に、ここは田舎ですからね。(バイクが趣味、っていうのも影響してる?)

 

映画も夏は話題作が集中するし、観たい映画はたくさんあるのですが、行かないですね。恋人でもいれば別ですがね。…そうなんですよね、いまの映画館て、独身の男性が一人で気晴らしに行くような場所ではなくなっちゃってるんですよね。特に、シネコン形式になってからね。映画館側からみて好ましい客というか、あるいは来て欲しい客のなかに、“おひとり様”の男性客というのは、想定として入ってないですね。実感としてね。

言い方悪いですが、特に平日に映画を一人で観に来る男性客は、映画館側が少なからず警戒してますね。こっちとしては、空いてるだろうから観に来てるんですけどね。…理由は敢えて説明しませんが、映画産業全体からするとマイナスなんですけど、現場の対応はそんな感じですね。一度、外回りの営業をさぼってる風のサラリーマンが熟睡してるの見てね。『アレなら警戒されることもないだろうな』なんてことも考えましたけど。映画見に行くのに、いちいち、スーツにネクタイ締めて、ブリーフケース持参てのも変ですからね。

 

 昔、山本耀司の作る服に憧れた時期がありました。今でも、持ってる洋服の色のほとんどに黒が多いのは、彼の影響だとおもいます。なぜ、彼の作る服の色は、ほとんど黒なのかというと、街中や風景に溶け込むことのない、唯一の色だから、というのが、その理由らしいです。彼からすると、黒色以外の服を身に纏うこと自体、(目立たない=没個性ということで)意味がないみたいですね。

お笑い芸人さんや落語家さんが、舞台から客席を見るとき、ほとんど全員が笑ってるネタの最中に、唯一人笑わない観客がいると気になるみたいで、終いには、(ほかのお客を差し置いても)そのお客一人を是が非でも笑わせてやろうと、必死になったりするらしいです。色もそうですが、同じトーンや雰囲気のなかに異質な存在が一つ紛れ込んでると目立つ、というのは共通しています。

 家族連れの海水浴客でごった返す、海の家の前のコンビニの駐車場で一人バイクを停めて休んでたり、夏休みに子供が走り回ってるような映画館に、男一人で観に行くようなやつは、やっぱり、周りからすると異質な存在に映るんでしょうね。俺がよくバイクで走る、北摂の某所に、「ライダー歓迎」って横書きの看板*1を掲げてるところがあります。そこを通るたび『歓迎されないことが少なからずあるから、バイカーズカフェがこれだけ増えてるんじゃねえの?』と、ヘルメットのなかで悪態をつく俺がいます。

 

 

  

*1:経営者は、たぶんバイク乗りでしょうね。(水平方向に高速で移動する乗り物の)バイクを想定してるからこそ、「縦書き」でなくて「横書き」なんでしょう。