日頃は暢気な母が激怒したそのわけとは?
(可能な限り感情を交えずに)事実だけを淡々と。
昨日、バッテリー上がりでお世話になったお店のおばちゃんが、店を出る前の俺に一言。
『ガス臭いねえ。これで普通?』
俺はとっさのことで『いじってるから』とかなんとか誤魔化した。
おばちゃんに言われるまでもなく、ガス臭いのは少し前から気付いていた。
(ガス臭いのももちろんだが)俺が少し前から気がついていたのは以下の二点だ。
修理から帰ってきて数日後。試乗したときには気がつかなかったが、アイドリングを調整しても安定しないことに疑問を感じていた。
1番のインシュレーターバンドは締めすぎで明らかに変形していたので、一旦タンクをおろして、すべてのバンドを緩めて全体のバランスをみて再締め付け。*3
“締めればいくらでも締まるなあ…おかしい…?”
適当なところで調整して締め付けてはみたものの、作業後も何かしらの違和感が拭えなかった。それからいまに至るまで、インシュレーターの件は放置していた。調整後も、アイドリングが高いのと、吹かしてから回転が下がるのに時間がかかる件に関しては、相変わらずだった。
“電装系の部品は考えられるだけ発注したし、(車検も近いし)そろそろアレの方(かた)をつけておくか…”
アレとはもちろん、インシュレーターの件だ。昨日のおばさんの一言が、図らずも俺の背中を押すことに寄与した。
左が車体から外したもの。右はストックしていたインシュレーター。大きさがかなり違うのですが、写真ではいまひとつ分かりにくいか。
上の画像と同じものを違う角度から写したもの。内径部分のサイズの違いがお分かり頂けるでしょうか?
外した方はノギスで実測すると、44ミリ…かな?
こっちは今回交換したストック分。同様に計ると40ミリ。内外径ともに4ミリの寸法の差がある。
結論としては、インシュレーターのサイズが大きすぎて、二次空気を吸ったことにより、吹かしてからの回転が下がるまでに時間が掛かった…そうとしか考えられない。おそらく、アイドリングをいくら調整しても下がらない(=低回転で固定できない)のも、キャブの同調がもともと取れていないせいだとおもわれる。
早速、手持ちのインシュレーターとバンドに交換。(装着していたバンドは再使用出来そうだが、これもサイズが大きすぎて使えなかった)
自分が2型のカタナ用にストックしていたから当然だが、サイズぴったりにはまる。バッテリーは電圧が低くて使えないのでテストできないが、もう二次空気を吸うことはないだろう。一応、バンドの向きや締め付け方法はマニュアルに沿って行った。
俺の趣味のこととはいえ、一応は母の耳にも入れておいたほうがいいと思い、今回の件に関して報告した。機械音痴といっていいぐらい、こういうことには疎い母だが、大きさの違うインシュレーターを目の前に俺の説明をしばらく聞くと、彼女は顔色を変え、激怒した。
…まあ、そういう反応するのが普通か。彼女からしてみれば『あれだけ時間をかけた結果がこれか』ということだろう。実際、年明けに『こんなに時間がかかるもんなの?』と呆れた感じで言われたし。
それにしても解せない。考えれば考えるほど。なんで?って感じ。(想像はつくだろうが)母の口からは、正直、お店に対する罵詈雑言もあったけど、ここではとても公表できるような内容じゃないから控えさせてもらいます。(ここのところの電装系の不具合によるたびたびのエンストの件も含めて)俺が苦労してる姿を一番近いところで見てますから。『(あんなに長く修理に時間をかけたくせに)すべての不具合を解決してて当然でしょ?』という彼女の気持ちも理解できないわけじゃないですしね。
バッテリーは外したし。
クラッチケーブルの取り回し変更も(マニュアル準拠で)OKと。
同調は取れてないだろうから、ひさびさにこれの出番だな。まあ、どっちにしろ、バッテリーが届いてからだな。
追記。
スイングアームピボットのシャフトが指で触って回るぐらい緩んでいたことは、さすがに母にも言えなかった。*4 マニュアルによれば、締め付けトルクに関してはかなり幅が持たせてある場所のようだが、素人目にみても、整備不良(点検忘れ)だった可能性は高いとおもう。