紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ

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昔も今も変わらない道理

 

天正8年(1580年)に、浄土真宗の十一代目門主顕如は、それまでの長い戦いの日々に終止符を打ち、信長に和睦を申し入れた。顕如の長男である教如は、そんな父親に反発し、親子は袂を分かつことになった。そして、このことが、のちに本願寺が西と東に分裂する端緒となった。

やがて、信長も秀吉もこの世を去った。そして、最後に残った家康は幕府を開く。あるとき、家康は側近の本多正信に、『長く分裂したままの本願寺を、今後どうすればよいか?』と訊ねた。すると、正信は、『あのままで宜しかろうかと存じます』と答えた。

本願寺が一つにまとまれば、その勢力は強大なものになり、かつて信長を散々に手こずらせたように、家康に歯向かって来るやもしれない。そうなれば、せっかく築いた泰平の世が、再び戦火に晒されることとなる。本願寺が西と東に分かれて、お互いに反目しあっているうちは、そのような企ても考えることはないだろうという、家康の家臣の中でも随一の知恵者・切れ者と言われた、いかにも正信らしい進言だと言われている。

しかし、三河一向一揆の際に、家康に門徒の一人として敵対した正信を考えるとき、単純に〝お家大事〟の一念で、先の発言をしたとは思えない節もある。

西本願寺は、分裂後から、門徒の間で〝本派本願寺〟と度々別称で呼ばれるようになった。(何を以って〝本派〟とするかは専門家に譲るとして)門徒(信仰者)の一人である正信としては、その〝本派〟としての流れを汲む西本願寺が、東本願寺と一つになることを快く思わなかったのかもしれない。現在、本多正信墓所西本願寺にある。

 

かつては、一つにまとまっていた民族が袂を分かつことになり、今は二つの国に分かれて、お互いに反目しあっている。いずれは元の鞘に収まるのか、このままの状態が続くのか。すぐ隣の国とはいえ、日本人の自分には彼らの心情は推し量れない。国が、ひとたび戦(いくさ)ということにでもなれば、一番に災難を被るのは国民であり、その火の粉は周辺の国々にも飛んで来る。それは昔も今も変わらない道理であり、誰もが避けて通りたいと願う。

 

 

どうしようもないこと

 

田舎の土埃に我慢ならない

神戸の伯母夫婦が、うちへ帰省の際は、伯父がクルマを運転して帰るのが常だった。伯父は、個人タクシーの運転手を生業にしていた。うちへ帰ってくるのも仕事で使っているタクシーだった。駐車スペースを確保するのも困難な都会暮らしにあっては、合理的に物を考えざるを得ない。

伯母は生来わがままな気質だった。うちへ帰ってくるのも事前の連絡はなく、母はいつも振り回されていた。突然に伯母は訪ねてきたとおもうと、父を連れ出して城崎に遊びに行き、数日帰って来ないこともあった。そういうわがままに付き合わされる身内は堪らない。何より、運転手代わりにされる伯父は、車中で伯母と口喧嘩を始めることもしばしばだったようだ。その日も、伯父は散々に伯母にあちこちへ引っ張り回されて帰ってきた。うちの庭で自分のクルマのボンネットを開けて、ブツブツと独り言を言い始めた。

『せやから田舎はイヤなんや。汚れの種類が違う。砂や土埃がひどい。帰ったらすぐ洗車やな』

職業柄、伯父は自分のクルマをいつも綺麗にしていた。神戸のような都会では排気ガスの汚れがほとんどだが、田舎はそれに加えて土埃がつく。伯父から言わせれば、エンジンルームに付着した土埃は、排気ガスの油分にへばりつくから、落とすのが厄介だというわけだ。伯父は、四国でもとりわけ田舎のほうの、うちのような田舎と比べても20年ぐらいはインフラの整備が遅れているような場所の出身だった。(伯母のわがままに辟易させられていたせいもあるだろうが)人間というものは変わっていくものだと、伯父の愚痴をそばで聞きながら、子供心にもおもったものだった。

 

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世の中には、できることとできないことがある。

圃場整備区域内の田畑に敷設されている道路は農道であるし、トラクターや重い多条植えの田植機を自走または搬入搬出させる必要から、アスファルト舗装がなされている。『農道なので一般の通行は遠慮してください』と看板が立てられている場所もあるが、犬の散歩をさせている人間を叱る農家はまずいない。併設の水路や排水路に糞をさせる飼い主もいるという話は、ときどき人伝いに聞きもする。

田舎の舗装路は、先に上げた農道から農免農道、広域農道と多岐にわたる。うちのすぐそばを通る片側一車線の道にしても、最初は農免農道として造られ、のちに広域農道へ格上げ(?)された。最初に道路を造られた際に投入された税金の種類にしても、一般の人間は知らないし、興味もないことだろう。だが、そうしたことから農家に対する誤解や無理解が生じてくるのも事実だ。

 役所に苦情の電話を入れる人間は、ジョギングや散歩をしていて靴が汚れるのが我慢がならないのか、それとも連れ帰った犬を洗うのが面倒なのか。(最近は室内飼いにしている家も多い)あるいは、車高を落としたクルマのオーナーが、バンパーやサイドステップのエアロパーツの底面を泥で擦ることにブチ切れたものか。

電話をしてきたのが、たった一人の人間だったとしても、再三再四ということになれば、役所もほかの業務に差し支える。この時期に田植えの準備をする農家のことは、役所も理解はしているし、苦情を言ってきた人間に説得もしただろう。だが、頑として聞き入れないとなれば、クレーマーのガス抜きのために放送せざるを得ない。

市役所の放送は、夕餉の支度をしている時間に流れる。あの日の放送は、田畑から帰った農家も聞いたことだろうが、長年に渡って耕作地を守ってきた彼らは意にも介さない。*1 他人から田んぼを預かることが多いご時世にあっては、耕作地から耕作地への長距離の移動*2は必須だ。積載車にトラクターやコンバインを載せて、遠方の耕作地へ移動する農家もいることはいるが、大抵の場合、農協の協力農家*3として登録されている大規模農家に限られる。比較的、家から耕作地が近い農家は、公道をトラクターで自走するのが普通だ。

 

一度、自分も新しく越してきた近隣住民から、夏の畦草刈りのことで直接に抗議をされたことがある。

『そんなもん(=畦草刈り)は、役所に頼んだらよろしいやないの!』

草刈り機(=刈り払い機)は、お世辞にも静かな機械とは言えない。しかし、とんでもない早朝や深夜に機械を稼働させているわけではない。それに、畦草が伸びれば、害虫(=主にはカメムシ)が雑草を伝って稲へ移動し、実が入る前の柔らかい籾を齧ってしまう。時々、うちで食べる新米の中に、一部が黒くなった米粒が混じることがある。黒い部分は、カメムシがかじった跡だ。農協へ出荷したコメは、その出来不出来により選別され、等級がつけられる。黒い米粒が混じっていれば、それだけで等級が下がる。一等米と二等米では買取の価格に大きな開きができる。これは、水稲を耕作する農家にとっては死活問題だ。

草が伸びることで、もう一つよくないのは、そこにマムシが隠れてしまうことだ。ヘビを含めた変温動物は、我々人間(=恒温動物)のように、自分の体温を一定に保つことができない。外気温の影響を受けて、体温が変化してしまう。マムシに限っていうと、風が強い日や、日が落ちて気温が下がると、叢に身を隠してしまう習性があるのだ。こうなると、農家だけの問題ではなく、非農家である近隣住民にも危険が及ぶ。どういう自然環境の変化かは知らないが、アオダイショウやシマヘビなどの類を、近年は滅多に見かけなくなった。いつの間にやら、うちでは、ヘビと言えば、マムシのことをを指すようになってしまった。

里道」と呼ばれる、最小単位の公道があるのをご存知の方はいるだろうか。定義に寄れば、『人間二人がお互いにすれ違うことができる幅の道』ということらしい。自分が役所に聞いた話では、『(今の単位に換算して)約90センチというところでしょうか』ということだった。分筆や合筆を繰り返しているうちに、現在では里道の多くが消滅している。とは言え、開発から免れた地方では、まだまだ探せば現存していたりする。かくいう、うちの農地にも里道がある。里道は、うちの農地の中にあり、他人が公道として利用することは事実上できない。

中には新道の開通で使われなくなったり、草木の進出や土砂崩れ等により通行不能になるなど、廃道状態のまま使われなくなった里道もあり、また、長年のあいだのうちに、山林や田畑、宅地の一部とされてしまっているものもある。2005年1月1日の時点で道路として機能していない里道については、2005年4月1日に一括で用途廃止された上で管理が財務省(各地方財務局)へ引き継がれた。なお、道路として機能していない建前なので、道路の実質的な維持管理は国は原則行わない(やはり周辺の住民任せ)ことになる。

里道 - Wikipedia

然るべき申請を行えば、うちへ所有権を移転させることは可能だが、(事実上、他人の侵入が考えられないことから)今のところ考えていない。昨年秋の地籍調査の際に、一応この里道の件をどうするか訊ねたところ、役所の返答は、『できたら(うちに)管理をお願いしたい』というものだった。簡単にいうと、これまで通りにうちが草刈りを行い、里道の世話をして欲しいということだ。

このような道路として機能していない里道は公図上すなわち登記上は国有財産となっているが、それを事実上占有している者が財産管理上必要とする場合には、国(財務省)から払い下げを受けるか[3]、または事実上の占有状態が10~20年を越え長年であれば公共用財産の取得時効を主張[4][5] することになろう。

里道 - Wikipedia

圃場整備などを未だ行われない、中山間地域の水田に至っては、里道が畦道を兼ねているような場所もあると聞く。実際、うちの里道も田んぼと田んぼの境の畦道に沿うように走っている。里道もそうだが、農免農道や広域農道に接している田んぼの畦の草刈りを、たとえ農家が頼んだとしても役所が行うことはない。

 

映画館にて

 年を追うごとに気が短くなるのは、ある程度は仕方のないことだと思うが、公共の場所で同年代や少し下の年配者を見ていると、たまに驚くことがある。

 

 最近、何年振りかで映画を観に行った。入場の時間も迫ってきて、定番のコーラとポップコーンを買おうと売店に並ぶ。自分の前には、小学生の男の子を連れた父親らしい男性がいて、その男性の前にも2組いた。

『お待ちのお客様、こちらへどうぞ』

こちらの列がなかなか進まないのを見越した、女性スタッフがフロアに向かって呼びかけた。自分の列から一人の若い男性が、先ほどの親子の前から彼女のレジの前へ移動した。自分もその男性のあとに付いて並ぶ。そして、その男性も早々に去り、自分が注文しようとした矢先のことだった。突然、

『わしは、さっきから並んどるんやぞ!どういうことやねん!』

大声を挙げたのは、先ほどの小学生を連れた、隣の列にいた中年男性だった。怒っている相手は、自分の注文を聞いてくれようとした女性スタッフだ。彼女は男性に向かって『申し訳ありません』とすぐに頭を下げた。そのやりとりの間に、激昂した男性の前に並んでいた客は、商品を受け取って立ち去った。男性は、憑き物が落ちたように(?)怒りを納めて、隣でオーダーをし始めた。それから、女性スタッフは、何事もなかったかのように自分の注文を聞いてくれた…。

 

映画の開始時間には、まだ間があった。入場口の横で、一人で食べるには量が多すぎる〝レギュラーサイズ〟のポップコーンを抱えながら、先ほどの男性の、理不尽というよりも不可解な行動について考えていた。

 

(それにしても、おかしいな。売店のおねえさんが呼びかけた声には、後ろにいた俺も気がついていたし。あのおっさんにも聞こえないはずはなかっただろうに。血圧が高いと難聴になる人間がいるというが、あのおっさんもその類だろうか?パッと見は同年輩くらいに見えたが、連れている子供の年齢からすると、俺よりもいくらか若いのか。おっさんの前にいた客は、確かに『どんな注文をしたんだろう?』というぐらい、俺から見ても長い時間がかかっていた。(おねえさんの声は聞こえていたが)おっさんが予想した以上に時間がかかったことにイライラして、当たり散らしたというのが本当のところじゃないか?)

 

一番かわいそうなのは、公共の場で他人に声を荒げている 父親の姿を目の当たりにした男の子だろう。春休み最後の楽しい思い出になるはずが、台無しにされたのだから。

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自分は、前から楽しみにしていた映画ということもあり、見終わって駐車場からクルマを出す頃には、あの男性のことなどはすっかり頭から消えていた。

 

 

ある日の早朝。母が新聞を取りに家の外に出ると、ジョギング姿の男性がうちの畑で脱糞していたことがあった。母が叫び声をあげると、男性は慌てて逃げて行ったらしいが、こういうことは、どこへ苦情を言ったら良いものだろう?

 

 

 

 

*1:うちの近所の農家は、自分を除いてほとんどが後期高齢者と呼ばれる年齢だ。

*2:トラクターは、小型特殊自動車に分類される。ナンバー登録をして公道の走行が可能。

*3:高齢化や人手不足で、自分の耕作地の面倒を見れなくなった農家に代わり、田植えや稲刈りを請け負う農家のこと。

YouTube チャンネルとニコ動に動画投稿する場合に知っておいたほうがいいこと

追記。2019 年3月21日現在。

あれから状況が少し変わりました。

YouTubeにアップした 以下の動画に著作権者より(動画背景に流れるラジオ音声に関して)申し立てがありました。

www.youtube.com

ニコ動と同じく、環境音や生活音と言えども、オリジナル音源と同様の扱いがされることになったようです。基本的に、著作権者より訴えがあった場合はそれにYouTube側も対処しなければならないということなので、仕方がありません。YouTubeにアップ済みの他の動画で同様にラジオ音声が入っているものもありますが、そちらに関しては著作権者からの訴えはまだありません。

これまで著作権者より訴えがあったものに関しては、いずれの場合も動画削除までにいたることはなく、申立人である著作権者に動画広告からの収益が入ることにより、コンテンツ(=ラジオから流れている曲)の使用が許可されています。

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 以下、追記を踏まえてからお読みいただくと幸いです。よろしくお願いいたします。

 

いつぐらいだったかな?動画をYouTube にあげ始めたのは。ニコ動は、そのあとか。いずれにしても、ブログの作業記事をテキトーに編集して〝電気紙芝居〟みたいなのを投稿し始めたのが、そもそもの始まりだった。

 

デフォルトのアカウントでチャンネルを作るといろいろ問題がある

YouTube で動画投稿するには、まずは、Googleのアカウントを取得しなくちゃならない。普段からGmail をメインメールにしているから、すでに持ってはいたけど、専用の垢を取得した。名前は、テキトーに「斎藤一」とかなんとかつけて登録した。そのままチャンネルの設定をすると、Googleで付けた名前が表示される…と言いたいところだが、姓名が逆に表示されたりして、よろしくなかった。国は日本で登録したんだが、なぜか名前の表示が英語圏仕様(?)になっていた。今は修正されたんじゃないかな。それ以前に、本名で登録するのはリスクがある

他のチャンネルをよく見ると、名前のところが〝〜チャンネル〟や〝〜ガレージ〟だの、好きな名前を自由に付けてるヒトがいた。それで、コチラコチラなんかを参考にさせてもらって、チャンネルを別にもう一つ作った。

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まあ…それで、俺のツイッターのフォロワーさんに言わせると、◯動画ってやつを投稿して、それなりに楽しんでた。(◯の部分は想像に任せる)

しばらくして、自分が時々拝見してた、某DIY系ユーチューバーさんのチャンネルが、突然の垢利用停止処分を受けた。チャンネル削除ではなくて、ログインができなくなり、動画の更新が全くできなくなった。規約違反もなかったし、ご本人からすれば、わけがわからない。YouTube に問い合わせてみても、利用規約を確認するようにメールで返答があるのみだった。

『へえ…そんなことがあるんだ』

他人事ながら、(動画の更新を楽しみにしていたし)気の毒に思った。(少し前に処分が解除され、現在は通常の更新ができるようになっている)

 

既存のチャンネルを新しいチャンネルへ移行

ちょうどそれぐらいの時期だったんじゃないかな。チャンネルの名前を弄っていて、全く反映されなくなったのは。たぶん、短期間に変更を繰り返したんで、設定されている上限を超えちゃったんだな。

名前の変更 - YouTube ヘルプ

『ここは一つ、垢の移行ってやつをやってみるか』

アカウントの移行とは、既存のチャンネルを新しく作ったチャンネルへ、動画や登録者ごとそっくり移動させること。名前を始め、サムネやチャンネルアートも新たに設定できる。それと、さっきの利用停止処分の話も頭の隅にあったし、アカウントの移行にはリスクヘッジの意味もある。

support.google.com

一抹の不安はあったものの、移行は問題なくできた。全ての動画と登録者、チャンネルのウラルさえも元のままなので、チャンネルを移行したことに訪問者は全く気づかない。

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 アカウント移行後に自分のコメントが表示されない

(登録者の数はさておいて)何も問題がないと思われた移行で、たった一つだけ不満がある。自分が以前に返信したコメントが表示されないのだ。おかしいのは、返信コメントは表示されないが、コメント数は正常に表示されている。

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 だから、削除したわけじゃないんだよね。(気を悪くしたヒトがいたら、申し訳ない)

 

YouTube とニコ動の著作権侵害の扱いが違う

自分のように、安い機材とソフトを使っていても、動画制作はそれなりにお金がかかる。ニコ動では、奨励プログラムというのものがあり、それに作品を登録すると、作品の人気度に応じて、奨励金が出る。自分も、『ニコ動のプレ垢料金とバイクいじりで使うケミカル代の足しぐらいになれば』とおもい、作業動画を登録することがある。

ある日、コチラの動画に対して、奨励金の付与を見送る旨のメールが、ニコ動から届いた。

 

以前に著作権侵害で一度削除処分になってからは、使用許諾曲を使うなりして対処してきた。早速に、異議申し立てのメールを送ったところ、以下のような返信があった。

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あの動画内で流れている曲は、FMの番組の音声だ。自分の解釈としては、生活音の一部として捉えていた。ニコ動からのメールには、『ニコニコポイントや金銭を分配するという観点から、このような対応をさせていただいておりますこと何卒、ご了承ください。』という一文もあった。以前に削除されたときと違い、今回の場合は動画そのものを削除されるまでには至らなかった。閲覧は今も普通にできている。

実は、ほぼ同じ内容の動画YouTube にも投稿している。

youtu.be

ニコ動と違い、YouTube の解釈では、あの動画に流れているラジオの曲は、著作権侵害に該当しない。あの動画は、YouTube では、収益化対象(=著作権侵害がないオリジナルな内容)として認められている。収益は…今のところ全く上がってないが。(閲覧数を考えれば、当然といえば当然だな)

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 YouTube にあげている、こちらの動画 ↓ に関しては、先ほどと同様に、ニコ動でも同内容のものをあげている。BGMとして使用している楽曲は、ニコ動が公認している使用許諾曲だ。

youtu.be

YouTube にあげているこの動画では、自分が収益を受け取ることはできないが、楽曲の権利所有者(申立人)に 収益が渡される形になっている。

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 また、この他にも、権利所有者がYouTube での楽曲の使用を認めているものの、一部のデバイス(=iPhone など)で使用楽曲の再生のみができない、というパターンもある。自分の場合は、こちらの動画 ↓ なんかがそうだ。

youtu.be

 

収益化は完全オリジナルの動画に限られる

ニコ動が指定する使用許諾曲以外を流している動画でも、削除されない場合もある。あれは、〝大目に見てもらっている〟とおもったほうがいい。それが証拠に、奨励プログラムに登録して収益化した途端に問答無用で削除される。ニコ動では、使用許諾楽曲を明らかにしている一方で、YouTube では、一旦動画を投稿してみないことにはわからない。既存の楽曲を使用して YouTube に動画をあげる場合は、一旦非公開で投稿しておいて、使用OKか否か確認するという手もある。ニコ動にしろ、YouTube にしろ、収益化を考えている場合は、既存の楽曲を使用しないことだ。自分の場合と違って、真剣にユーチューバーを目指しているヒトは、肝に命じておいたほうがいい。(俺のブログを覗いてくれる層には、ユーチューバーを目指しているヒトは少ないとおもうが)

ちなみに、ニコ動で奨励プログラムに作品を登録している(=収益化している)割合は、以下のような感じになっている。

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全体の作品数に比べて、すごく少ない印象を受けるかもしれないが、ニコ動の場合は、(使用許諾楽曲以外の既存曲を使用している)「歌ってみた」「踊ってみた」のカテゴリの投稿者の数が全体の割合の多くを占めている。YouTube で収益化している割合は、あまりにも分母が大き過ぎて想像もつかない。

著作権の問題を説明する際、お金の問題は抜きにして語れない。ネットでお金の話をすると、すぐに叩くヒトがいるが、自分で動画を投稿して収益化してみればいい。よほどの閲覧数がないと、お金は入ってこないことがすぐ理解できる。動画制作に労力をいくらかけたとしても、それが結果(=閲覧数)に即結びつくとは限らない。

先駆者の後追いは難しい

俺などは、バイクの作業動画…それもキャブ仕様の旧車いじりだから、閲覧する人間の種類も限られる。エンジン関連の重整備ともなれば、少ない閲覧者がさらに減る。素人がアップする動画とはいえ、参考にして作業した人間が怪我を負ったり、最悪命を落とす危険性もある。動画の冒頭で退屈な注釈を入れる代わりに、(できるかどうかは別にして)インパクトのある導入部分(=いわゆる〝掴み〟)を作れば、閲覧者は少しは増えるだろうこともわかっている。

バイクに限らず、動画投稿サイトの、どのジャンルにおいても、似通った内容の動画が今や飽和状態となりつつある。これまで閲覧者を増やしてきた投稿者でさえ、今のスタイルを続けていれば、いずれは淘汰されていくことだろう。自分が面白いとおもうことと、他人が面白いとおもうことの隔たりに常に気づいて、(編集技術や動画内の演出もすべて含めて)それを埋めていくことができる人間だけがユーチューバーとして大成していくのかもしれない。〝隔たりを埋めていく〟ということは、すなわち、他人と自分自身との妥協点を探るということなので、決して楽しいことばかりではない部分(=趣味が仕事に変わっていく)も抱えることになる。

 ユーチューバーを目指すもよし、自分のように趣味の延長で寡作ながら、コツコツと動画をあげていくもよし。できるだけ自分が楽しいほうが、やっていて長続きするということだけは言えるとおもう。

 

 

 

 

フロントキャリパーのメンテナンス

プロにキャリパーのオーバーホールを頼むと、ブラケットのボルトがガチガチに「これでもか」という感じで、きつく締められていることが多い。ちなみに、1100のカタナでも、ブラケットのボルトの締め付けトルクは38N·mだ。 

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自分が実際にキャリパーをブラケット(キャリサポ)から外すときは、ソケットをつけたT型のハンドルを使う。上の画像のような道具の使い方は通常ではないし、何より道具自体が痛むから、緊急時以外はやりたくはない。どうしても外れない場合や道具がないときの対処に限られる。(画像よりも六角の根元付近までメガネを通して回すほうが、六角にねじれが起きにくいとおもう)

 

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昔、新車で買ったゼファー750のフロントキャリパーに引きずりが起きたことがあった。2枚のディスクの外周表側には、明らかに変なアタリができていて、購入当初から何キロ走ろうが、その跡がディスクから消えない。走行中に〝サー〟という音はする*1ものの、運転には支障がなかった。しかし、そのまま走り続けるにはもちろん不安がある。試しに、ブラケットを留めているボルトを一本外すと、〝コロン〟って感じで、ワッシャーが一枚床に落ちた。確認すると、ワッシャーは4本のボルト全部に付いていた。そのワッシャーの厚みだけ偏りが出て、引きずりが起きているだろうことは予想がついたが、ボルトを元どおりに締めて、(ワッシャーの件は告げずに)バイク店へ連絡して取りに来てもらった。数日して、バイクは修理を終えて戻って来た。

 

『点検したので、大丈夫だろうと思います。こういうことは、たまにありますが問題ありません。故障や不具合ということではないです。おっしゃっているディスクに付いている跡は、走っているうちに消えていきます』

 

バイク店の整備主任は、手短に修理内容を自分に説明すると、帰って行った。

 

その直後、倉庫で再度ゼファーのブラケットのボルトを外すと、あったはずのワッシャーは4枚とも消えていた。

後日、ゼファーの慣らしが終わって、オイル交換にバイク店に行った。その際に、ブラケットのボルトを自分で外して、ワッシャーを見つけたこともバイク店に伝えた。だが、バイク店の返事は、『ワッシャー?そんなものありませんでしたよ』というものだった。

そこそこに長い自分の車歴の中でも、ブラケットのボルトにワッシャーが付いていたことはない。ゼファーのパーツリストを念のため確認したが、やはりワッシャーは無かった。新車には違いないようだったが、今もってワッシャーがなぜ付いていたかは謎だ。(純正のキャリパーを装着していて、ワッシャーをセンター出しのシムの代わりに使うことも考えられない)ゼファーのフロントディスクについていた跡は、バイク店が説明した通りに、しばらく走っているうちに消えた。

 

 

 

 

 

キャリパーのメンテに話を戻します。

 

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キャリパーをブラケットから外したあと、ブレーキホースにテンションがかかるのを防ぐために、S字フックで吊る方法も昔に試したことはある。試した結果からいうと、細かい部分を洗う際には最終的にS字フックからキャリパーを外さないとやりにくいし、作業効率がお世辞にもいいとは言えない。

自分の場合は、画像のようにクルマを洗うときのバケツの上にステンレンスのトレイを置いて、そこにキャリパーを置いて洗浄する。キャリパーを〝点〟で吊るよりも、〝面〟に置くほうが安定するし、途中で作業を中断したい場合も簡単に行える。

キャリパーを丸洗いする際は、昔のTV通販でお馴染みだったシンプルグリーン(希釈タイプ)を使う。作業後に残った水気はコンプレッサーのエアーで吹き飛ばしてウェスで軽く拭き取ってしまうだけでいいから、屋内で全ての作業を完結させることができる。定番の台所用洗剤は、久しく使っていない。泡切れが悪いから、そのために水が多く必要になる。必然的に屋外での作業を強いられ、まだまだ寒いこの時季はつらい。

 

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 パッドの厚みは十分にあり、片減りもなし。パッドスプリングとパッドピンは洗浄して再使用。

 

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 キャリパーは、洗浄したあとにエアーで水気を十分に飛ばし、最後に軽くウェスで拭き取る。ブレーキレバーを握って、ピストンの頭を少し出し、側面に耐熱のシリコングリスを塗り込み、スムースに動くか指で押して確認する。*2 ピストンのパッドの当たり面には、〝鳴き止め〟にカッパーグリスを薄く塗布しておく。

 

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キャリパー本体をキャリサポにボルトで仮止め。パッドをセットしたら、パッドスプリングで押さえ、耐熱のシリコングリスを塗布したパッドピンを挿し込む。パッドピンは、脱落防止のベータピン(4パイ)で忘れずに留めておく。

 

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 仮止めのキャリサポのボルトを、トルクレンチで本締め。

 

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 今回の締め付けトルク値は、38N·mで。

 

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 最後にブレーキレバーの感触が固くなるまで数回握り込んで、作業は完了。

 

ブレーキキャリパーを含む制動装置は重要な部品です。当記事を参考にされて同様の作業を行い、もし不具合や事故が起きた場合、当方は一切の責任を負うものではありません。作業に自信がない場合は、プロに任せることを強くお勧めします。

 

youtu.be

 

 

*1:運転者本人には聞こえるが、歩行者や周囲には聞こえない。

*2:ある程度の力が必要。今回は、ディスクブレーキセパレーターは使用しなかった。

BARNSTORM TROOPS MC G-VEST

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昨年の秋頃に注文して、届いたのが年明けもずいぶんすぎた頃だったGベスト。値段が値段だし、着る人間も限られるということで、次回生産は未定。バトルスーツの上から羽織ることを計算してか、(バイク乗りの使い勝手を考えた)丈は短め。

 

とことん着古したG-VESTの看板(=ワッペン刺繍部分)は、切り取って、次のG-VESTに縫い付けて使うのが流儀とか。そういえば、看板の周りの毛羽立ち*1が、年月を経た風格を漂わせているベテランライダーを時々お見かけします。

 

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*1:G-VESTの生地ごと切り取るため。