一年前の俺。
はてなブログから、こんなメールが届いた。ここでブログを書き始めてから四年目だけど。こんなの届いたのは初めてだ。一年前に俺が書いた記事を、頼みもしねえのに羅列してくれてる。以下、その過去記事たち。
これって、歳を追うごとに切実になってくるわな。特に俺の場合は。
今年は、まだ梅は満開だ。
この後しばらくして喫煙者にまた戻っちまったからな。人間なんて先のことはわからねえもんだな。13年前にやめたときのセブンスターの価格は260円。200円も値上がりした。(リンク切れは申し訳ない)
〝おねえさん〟じゃなくて、〝おねいさん〟なのは、俺がクレヨンしんちゃん好きだから。
キャブに限らず、中古部品を入手するとき全般に言えることだとおもうよ。
顎髭の有る無しで、自分を見る他人の印象が違う。俺の場合は、目立つ傷を隠す意味もあるもんで、剃ってれば剃ってるで、人によっては奇異な目で見られることもある。
ブログの再開以来、スターも利用することはないし、コメント欄も閉じている。はてな経由での閲覧も減ったというか、ほとんどない。いや、全くないと言っていい。はてなでブログ書いてるっていう帰属意識も、いつの間にやら無くなってしまった。しかし、ページビューが、だだ下がりなのかというと、そうでもない。おかげさまで、バイク関連記事の検索流入からの閲覧が結構あるからだ。まあ……〝結構〟とは言っても、高が知れてるがな。
今の更新の形が、自分的には楽だし。(バイクに限らず)興味のあること以外は、これからも、ここで書くことはないだろうね。はてなスターや被ブクマの数が、あんまり意味がないことも、先の封印をしたおかげで、図らずもわかってしまったし。〝はてな村〟って言われる所以を、四年目にして、ようやく理解した感じだ。*1
*1:あくまで、俺個人の感想です。
弟
弟に父の死を知らせるタイミングを妹や母と相談した結果、葬儀*1を終えてからということになった。自分が弟を迎えに行く旨を、前もって施設へ電話を入れた際、『父の死については家族から本人に直接告げたいと思います。(外泊で家に連れて帰る理由について尋ねられた際は)「家の用事」ということにしておいてください』と、職員に念を押しておいた。
施設から家に到着して間も無く、弟は母から父の死を告げられた。というよりも、自分がトイレに行っている隙に、母に先を越されたというのが本当のところだ。弟の反応は、至極あっさりとしたものだった。取り乱したり、家族を責めることもなく、父の遺影の前で静かに手を合わせていた。
家族で昼食をとったあと、弟と二人で役所へ向かった。父の死後の手続きに関連して、弟の実印を印鑑登録する必要があったからだ。 印鑑登録に際して、顔写真付きの証明書が必要だが、弟は保険証しか持っていない。兄の自分が身分保証することで、それが可能になる。自分の〝印鑑登録カード〟を差し出したが、受け取る職員の態度がいつになく事務的で冷たい感じがした。職員が、しきりに弟の様子を伺いみるのも気になった。
(…お袋の誕生日。何年だ? 78って言ってたが、あれは数えで言ってたのかもしれんな。今日は、俺と弟の証明書だけにして、お袋のは月曜にもらうことにするか)
『親兄弟の誕生日もろくに覚えてないのか?』とでも言いたげな様子の職員の刺すような視線に自分が耐えている最中、弟が不意に口を開いた。
『お兄さん。大丈夫ですか?』*2
どうやら、彼なりに察したらしい。自分は、
『うん。大丈夫やで』
と努めて平静を装った。嫌な汗が自分の背中を伝うのを感じた。その夜、妹と電話で話した際、妹が家族全員の誕生日を覚えていたのには驚いた。言い訳になるが、うちは、他家のように家族の誕生日を祝う習慣自体がなかった。母は、(舅だった)祖父の命日に必ず線香を立てる*3が、自分の誕生日が過ぎても口にすることはない。うちのような家は、世間では少数派ということになるらしい。
弟が施設へ戻る日。
弟に新しい靴を買って店を出たあと、『本屋へ行きたい』と言うので、少し遠い本屋へ連れて行った。弟の記憶にある地元の本屋2軒のうちの1軒はすでに潰れ、残りの1軒は彼の欲求を満たすほどの種類の書籍を置いていない。
行きつけの本屋は、自分がかつて暮らしていた街にあり、自宅からクルマで小一時間ほどの距離だ。本屋に着くと駐車場はほぼ満杯だったが、運よく一台のクルマが出るところだった。入れ替わりに停めて、二人で店に入った。
父の状態が、ここ2年ほどで悪くなってからは、そこの本屋からは自然と足が遠退いていた。しばらく行かなくなった間に店は改装をしたらしく、コーヒーを頼むカウンターが新しく設置された店内は、週末ということもあって賑わっていた。
弟は文芸書のコーナーで単行本を一冊選び、支払いを済ませると早々に二人で店を出た。客も含めて店内の程よい無関心さが心地よく、(弟の外泊の時間に余裕があれば)もう少し長居してもよかったぐらいだ。
(都会はいい。適当に放っておいてくれる)
駐車場へ向かう途中、思わず独り言が口をついて出た。
サイレンサー完成
日曜の午後からクルマで峠に行ってたもんで……作業再開が夜になっちまいましたね。最後にリベットを打ち込むだけだったので、作業時間自体はそんなにかかりませんでした。
こんな感じで出来上がりました。
グラスウールは新品に交換しました。↓
ツイッターにも載せたんですが、グラスウールを針金で巻くことはしません。あのステンレスの針金で巻く作業は、(中でズレないようにするため?)多くの方がされるみたいです。せっかく新品に交換したのに、針金で巻くと最初からグラスウールとサイレンサーの内側の壁に隙間ができるので、自分的にはあまりやりたくありません。『マスキングなんか巻いて焼けてしまうでしょ?』と思われる方がいるかもしれませんが、まさに焼けてくれることを目的としてマスキングで巻いてます。あくまでグラスウールを最初に入れる際の補助が目的なんで、テープ自体もきつめに巻くことはしません。サイレンサーの装着後は、排気熱によりマスキングが焼けるか粘着部分が外れるかして、グラスウールがサイレンサーの内側に密着してくれます。グラスウールの交換は、できるだけ購入当初の状態に戻すのが目的ですから、(考え方はヒトそれぞれでしょうけれども)この方法がいいと思います。*1
補修した裏側は、こんな感じ。
補修前。
補修後。
リベットの頭(傘?)は、最初に比べてかなり小さくなりました。…先日の雪かきで親指にタコマメができてます(笑)
今回使用したリベットです。頭の部分は小さいですが、片側6ヶ所留めてあるんで、まあ大丈夫だろうということで。
リベッターは、使い方に少しコツが要ります。一度ギュッと握り込んで、一旦レバーを離した後に再度リベッターをリベットの頭に強く押しつけながらレバーを強く握りこむと『バチン!』という感じで先端が切断されます。購入したリベッターの説明書には、『女性でも力が必要ないから大丈夫』みたいなことが書かれてましたが、最後に切断する瞬間は、そこそこに握力が要りました。(詳しい作業の様子は、また動画でアップする予定です)
音漏れが心配な向きには、(エンド部分と本体の隙間などに)エポキシ系の接着剤を充填するというのも、一つの手だと思います。一応用意しましたが、今回は使いませんでしたね。(ツイッターを見ておられる方はご存知と思いますが、昨年の秋頃から喫煙を再開しております。一応、担当医の許可ももらってます。ご批判はあるでしょうが、俺の人生なんでね)
追記。
以下のデータは、補修した場合とサイレンサー本体を交換した場合にかかる費用の比較です。
ロウ付け棒 アルミ専用 225g(ストレート) ¥3,910
グラスウール アコスタフィル 500x1100mm(キジマ)¥3,742
ブラインドリベット(アルミ/鉄) 4-3 80本入 AT43(TRUSCO)¥260
ハンドリベッター HR-21(SK11)¥3,259
セメダイン 5分硬化型エポキシ系接着剤 ハイスーパー5 P15gセット CA-188 ¥550
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計 ¥11,171 *2
サイレンサー本体*3を新品に交換した場合。ー ¥33,000(税抜き)*4
サイレンサーの材質や太さにもよりますが、一般的にリペアパーツとしてサイレンサーのみを購入した場合にかかる費用は、5〜6万ぐらいになると思います。
公道を走るのに向かない人間
バイクに乗るのに向いてないヒトは、ほとんどいないとおもう。ただ、こと公道に限って言えば、向き不向きがあると言わざるを得ない。
昔の知り合いに、初回の継続車検まで同じクルマを維持できず、ほぼ毎年のように事故を起こしていたやつがいた。7年足らずの付き合いの間ずっとだ。いずれの場合も、プライベートな時間に起こしたもので、幸いにも重大な人身事故に至っていなかった。一度、外回りの仕事中に偶然にもそいつのクルマがレッカーされていくのを見たことがあったが、一目見て廃車だとわかるぐらい前半分がぐしゃぐしゃに壊れていた。案の定というべきか、そいつは(翌日に五体満足な姿で出社できたのが不思議なぐらいの)大きな事故を起こしていた。初めて話を聞く人間からすれば『運転が下手なんだろう』と思うかもしれないが、クルマの運転もバイクの操縦も、そいつは上手い部類に入るほうだった。
どこの峠でも、走り屋のメッカになっている場所では、ローカルルールというものがある。遅い人間が危ない目に遭わないように、いつの間にか出来上がったものだと思う。それはいい。問題なのは、そこが公道であり、訪れるドライバーやライダーは走り屋ばかりではないということだ。神戸の某所には、土地柄のせいもあって、一般の観光客もやってくる。ローカルルールが設定されていることなど知りもしない。
『あの野郎、そのまま真正面から突っ込んできやがったんだよ!」
バイクは、一度決めた走行ラインを途中で修正することができにくい乗り物だ。クルマはステアリングで向きを変えるが、バイクは曲がる方向へ車体を傾けなければならない。旋回しているバイクの傾きが強いほど、そのあとの車体を起こす時間は長くなる。もし旋回中に、前方からクルマが突っ込んでくれば……万事休すだ。逆に言えば、バイクの車体が起きている(=直立している)時間が多いほど、走行ラインの修正もやりやすいことになる。結果、正面衝突などの事故も回避できる確率は高まる。公道を走るバイクのリアタイヤの状態(=端まで使い切っているか否か)が、運転者の技量を推し量る材料には必ずしも繋がらない。
『このビ◯◯◯ム君を完全に亡き者にする*1のが今の目標で〜す』
確かに、リアタイヤの端っこまで使い切るのは格好がいい。端まで使おうとすると、トラクションをかけてリアタイヤ自体を路面に強く押しつけることになる。ゆっくり旋回してもタイヤの端っこは削れていってくれないから、ある程度の速度を出さなければならない。ここ20年ぐらいでスポーツモデルのハイパワー化が進んで、それに合わせてタイヤもどんどんワイド化した。太いタイヤは曲げにくいから、端まで使い切ろうとすれば……無謀とも言える速度で走っているように一般人には映るだろう。
『「ええい、いってしまえ!」ってときがあるだろう?』
漫画「キリン」の中のエピソードで、新車を買うたびに『今度は絶対に見せにくる』と喫茶店「ランブル」のマスター(モヒ)に約束しては、毎回のようにバイクの購入から日を置かずに廃車にしてしまう、という男が登場する回がある。あの、事故を起こす瞬間のバイク乗りの心理状態は良く描かれていると思う。しかし、実際にあんな人物が身近にいたら、一緒には走りたくはないし、少なくとも公道では遭遇したくない。
ブラインドコーナーに『ええい、いってしまえ!』と突っ込んでいくことは無謀と言うほかない。スピードを落としてセンターに寄せ、なるべく向こうが見渡せる状態でクリアするのが普通だろう。*2 見通しの悪い場所で道なりに車体を寝かせた状態で走っていては、とっさの回避行動も取れない。公道では前から誰かが走ってくる。もし自分のバイクの性能を限界まで堪能したいと思うのなら、サーキットへ行けばいいだけの話だ。
最後に。
ここまで読んでわかると思うが、この話は何もバイク乗りだけに向けた話でもない。クルマを運転するドライバーも、前述のバイクの特性ぐらいは覚えていてほしい。それと、最近のドライバーは行き違いの際に相手任せの運転をする人間がすごく多い。狭い道での運転が怖いなら遠回りでも避ける。それが嫌なら、自分のクルマの車幅ぐらいは購入当初に把握しておくことだ。これは最低限のことだと思う。高級車のステイタスをひけらかしても、いつもいつも相手が道を譲ってくれるわけではない。
母の生存確認に訪ねてきた女性
母の腰の状態は、あれからずいぶんと良くなった。ここ数日の買い物や洗濯は自分が担当していたが、昨日あたりから洗濯物の取り込みをやってくれるようになった。
今朝も、自分が引き続き洗濯物を干した。父の汚れ物もあったので、母屋から3往復ぐらいしたんじゃないかな。寒いし、雪は残ってるし、また母に転んでもらっては困る。年寄りは、転んでそのまま寝たきりになるケースがある。
ついさっきだが、あまり見かけないというか、おそらく自分とは初対面だろうと思われる中年女性が訪ねてきた。うちは昔の家の作りで、正面の玄関の横に小さい入り口がある。知り合いや、用事のある業者などは小さい入り口から出入りする。しかし、さっきはインターホンが鳴って確認すると、正面の玄関のモニターが点いた。
(誰だろうな?モニターに映ってねえぞ)
小さい入り口を開けて『どちら様ですか?』と言うと、ヤッケを着た女性が現れた。
『お母さんの姿を最近見ないもので……お元気かなと』
『どちら様ですか?』
『ここの前をよく通るんで……先日も花をいただいた者です』
確かに、畑でできたものを知り合いに持たせてやることはある。しかし、今は冬だし、うちは畑で花も栽培していない。
『はあ…そうですか。腰を悪くしているもので、起こしたくはないんですが』
自分は、ここで少しこの女性に対してカマをかけてみることにした。
『先日もねえ……似たようなことをおっしゃる方がいらっしゃって、何か母のことが近所で噂になってるんでしょうか?』
すると、女性は急に顔面蒼白になり、うろたえ始めた。(もちろん、自分が言ったことは口から出まかせの大嘘だ)
『いえ、私は初めて来たんです。そういうことは知らないです。すみません、失礼します!』
そういうと、女性は慌てて戸を閉め、逃げるように帰って行った。
女性が帰ったあと、念のために母に尋ねてみたが、
『え?花なんかあげたことないで(笑)うちは作ってへんし』
と首を傾げた。
母の安否などは、近所の人間に聞けばすぐわかることだが、おかしなことを吹聴する暇な人間がいるものだ。